燕市分水地区観光協会(田中公一会長)は、ことし4月15日に燕市・大河津分水桜並木で4月15日に行われる第70回の節目となる分水おいらん道中を前に、4月の終わりまで北越銀行分水支店(青山悟支店長・燕市地蔵堂本町3)で「第70回分水おいらん道中今昔写真展」を開いている。
1月16日から同支店ロビーの展示パネルに写真を展示して開いており、会期中に3回の展示替えを計画。1回目の展示替えを2月10日に行って展示作品をそっくり入れ替え、年金振込日にあわせて15、16日の2日間、年金受給者に花の苗をプレゼントする「年金感謝デー」の前の13日から新しい写真を展示している。
展示しているのはモノクロばかり31点。傷がついたような写真やすっかりセピア色に変色した写真も多く、時代を感じさせる。展示中、最も古いのは昭和24年、おいらん道中を終わって大河津分水殉職者慰霊祭の前で撮影したと思われる、おいらんをはじめ行列の参加者の集合写真だ。
行列の参加は遠い昔の雅やかな衣装をまとっているので、行列参加者を見るだけでは、とくに詳しい人でない限り、今の衣装との違いは見分けがつかないが、行列が歩く分水の町通りの看板やのぼり旗には、今なくなった商店の名称や、古くからある商品のクラシックなのぼり旗など、時代を感じさせる。
「車のりば」とある文字のそばに「東三條」との文字もあり、バスが通っていたのだろう。細部を観察すればするだけ新しい発見もあり、写真隅々までじっくりと鑑賞したい。また、今ある同支店の2階あたりから下の町通りを撮影した写真もある。
年金振込日の15日はふだんの2倍以上、506人の来店があった。同支店では以前にもロビーで写真展など開いているが、分水おいらん道中の写真だけを展示したのは初めて。「今まででいちばんお客さまから見ていただいているようです」と青山支店長は喜んだ。
魚野真澄副支店長は「地元の人が写ってるので、戦争直後の写真でもこの人は誰の姉だ、妹だとわかり、どこの景色だろうと興味をもってご覧いただいています」。翌16日は約250人の来店を見込んでいる。
このあともう一度、展示替えを行って3月12日から新しい作品に入れ替える。そして4月1日からは近年のおいらん道中を撮影したカラー写真に展示替えして4月15日の本番を迎える。また、道の駅国上でも同じように分水おいらん道中の第70回記念歴史写真展を開いており、昔懐かしい写真30点近くを展示しているほか、燕市が開設する分水おいらん道中の特設サイトでも「昭和のおいらん道中フォトギャラリー」として、昭和11年ころからの古い写真20点を掲載している。