2011年に三条市と三重県菰野(こもの)町が災害時相互応援協定を結んだのに続いて16日、両市町の社会福祉協議会が災害時の相互応援協定を結んだ。遠隔地の社会福祉協議会の同協定締結は両県とも初めてで、全国的にも珍しく画期的だ。
この日午後3時半から三条市総合福祉センターで協定書の調印式を行った。三条市社会福祉協議会の崎山興紀会長と菰野町社会福祉協議会の小林周平会長をはじめ理事や事務局長、職員、来賓に国定勇人三条市長と石原正敬菰野町長など20人余りが出席し、両社協会長が協定書に調印した。
協定では、大規模な災害が発生した場合に、災害ボランティアセンターなどの設置と運営に必要な職員の派遣、社会福祉協議会の活動と機能確保のために必要な資機材等の提供などの相互応援を行うとする。
崎山会長は昨年7月の豪雨災害で石原町長はじめ菰野町から大勢が駆けつけてくれ、「町をあげてのボランティに重ねて感謝」し、協定の充実に向て「災害時救援活動の相互支援の研さんはもとより、平常時における各種事業に関する研修や情報交換を行って緊密な連携を深め、心の通った協定に構築していくことが大切」と述べた。
小林会長は「災害発生時の応援だけではなく、平常時の社会福祉協議会としての事業運営についてもご教授いただければ」と、互いに平常時からの交流を求めた。
国定市長は、この相互応援協定の「すべてのきっかけは昨年、発生した東日本大震災」で、三条市の避難者受け入れに菰野町から物心両面で支援を受けたことを話した。その後、行政団体で災害時相互応援協定を締結し、直後に発生した7.29水害で三条市が被災したときもすぐに石原町長自ら三条市に足を運び、さまざまなボランティア活動など支援をしてもらったことに感謝。「来年度は実際の交流を深めていく元年にしたい」と、社会福祉協議会の活動や両市町の交流に期待した。
石原町長は、「全国の天気予報を見たときに三条市に大雨が降ってる、菰野町あるいは三重県に台風が来るんだなあと、少し気にかけているだけでも、それぞれが連絡がとれる。顔が見える関係で、これから交流をしていくことが災害時において何よりも心強い助けを得られる」と話した。
両市町は2011年7月8日、災害時相互応援協定を締結した。その4カ月前に発生した東日本大震災で、異地点間災害時総合援助協定の締結の必要性に迫られた。リスク分散のため東日本と西日本、日本海側と太平洋側、さらに災害発生時には中央、東海北陸、北陸の各高速自動車道でいずれかのルートも選択でき、最短距離で結ばれる両市町の組み合わせだ。
また、菰野町からの一行はこの日早朝に同町を車で出発して来条した。菰野町では雪が積もっても積雪は10センチくらいで、今も当然、積雪ゼロ。大雪に見舞われたこの冬の新潟の積雪の多さに驚いていた。