24日開かれた県議会で泉田裕彦知事は、10月に予定されている知事選に立候補をする考えを表明した。これについて国定勇人三条市長が同席した取材後、少し時間をいただいて話を聞かせてもらった。
泉田知事の出馬表明をどう思うかとざっくり聞いた。国定市長は、泉田知事は出馬を表明しただけで、何をしたいかを明らかにしていない段階であり、「首長としての価値判断を問われれば」と前置きしたうえで、昨夏の水害の復旧復興やようやく県が調整役となって一本化できた救急救命センター設置に「どれだけ熱意をもたれて臨まれるのかが価値判断の大きなポイントになる」、「その見極めなんじゃないかな」と先に評価の物差しを示した。
泉田知事は次期知事選で当選すれば3期目になる。一般論として多選は4期以上とされるが、首長はあんまり長く続けるポストではないという見方ははっきりしているものの、「3期はぎりぎり許されるとこじゃないかと思う」。
とくに泉田知事は就任直後から地震や水害に見舞われ、昨年も東日本大震災に伴う避難者の受け入れ、そして再び夏には新潟・福島豪雨。さらにことしは2年続きの大雪と、途切れることなく災害対応に追われた。そういう意味では「なかなか2期、8年の間で災害以外のことに特化するってことが、結構できなかったのでは」、「そこ(任期の長さ)は本当に何とも思わない」と泉田知事の3期目に限っては多選による弊害はないと確信する。
せっかくなので、振り返って我が身に照らしてもらうと、国定市長は2期目が1年半近くたったところ「自分のなかでは、ぎりぎり3期というイメージ。首長としての成績優等生は2期8年で本当のこの町をこうするんだっていうことに対して一定の区切りをつけられる人物だと思う」。
三条市は27日に日中国交正常化40周年を記念して中国と物品寄贈調印式を行う。それを前に日中国交正常化の本を読んだ国定市長は「そのなかで田中角栄が権力がいちばん強いときに難しい仕事をするべきなんだ」と言う言葉に感銘を受け、田中角栄は首相主任2カ月で一気呵成(かせい)に日中の国交回復を成し遂げたことを話してくれた。
あらためて泉田知事には、「再選されたら国や市町村との関係づくりはやっていただかなければ…まあ、人のことは言えませんけど」と笑った。