東日本大震災の発生からまもなく1年。原子力発電所事故の影響で三条市に避難している佐竹紀さん(72)=福島県南相馬市小高区=が中心となり、3月4日から16日まで三条市総合福祉センターで三条市に避難してから1年の経過を写真でつづる「春を待つ…小さな 小さな 手づくり写真展」を開く。
震災発生の5日後、3月16日夜に三条市が開設した東日本大震災の避難所に到着してから間もなく1年。その間のさまざまなできごとや行事、人とのかかわりの一部を写真の記録で展示する。
主催する佐竹さんは、三条市に避難している人同士や三条市民と交流する拠点施設・交流ルーム「ひばり」、「ひばり」で活動するボランティアで、自身も今も市内で避難生活を続ける。
避難からしばらくたった3月26日ころから、ブログ「まけてらんにぇ!みんなでなんとかすっぺ!!」を開設して、避難生活を送る身近な人たちのようすや思いを現地から同じ避難者の目線で発信している。
写真展では、ブログに掲載した佐竹さん撮影の写真を中心に、慰問にきてくれた幼稚園や子どもたちが通う小学校、国定勇人三条市長などからも提供を受けた写真を合わせて300枚以上を展示する。
写真展の準備であらためて写真を見返すと、「大掃除の時の新聞を眺めているよう」と佐竹さん。さまざまな出来事がフラッシュバックし、「夢中で過ごしてきた」が、「一年たって本当にお世話になった。たくさんの人たちに支援していただいたと痛切に思う」と言い、写真展では「ありがとう」の気持ちも表現する。
タイトルにある「春を待つ」は、「われわれは今は冬を過ごしてきた。『待つ』は積極的なことと認識している」とポジティブな意味合い。「避難したことを、次につなげていく」との思いも込めている。写真展の問い合わせは佐竹さん(電子メール:yo-jo-juku@kind.ocn.ne.jp、電話:090-3643-1940)へ。