改修工事が行われている通称「水道の塔」、旧配水塔=水道町1=は、完工の15日を目前にして5日、工事用フェンスが取り除かれ、大きな変更を受けた1階入り口の玄関が姿を現した。
これまでの老朽化で玄関の扉は金属製に取り替えられていたが、今回の修復では昭和13年の建設当初と木製に復元した。さらにその上の半円形の金属板がはめ込まれていた部分もガラスに復元。塔内の木製部分が緑に彩色されていたことから、玄関とあわせてフレームは緑で塗った。
建設当時、1階の床は地面より1メートル前後も高かったため、玄関に上がる5段の階段があったが、盛り土をして土地を高くしたためか、階段部分がアスファルトの下になった。それは再現できないが、階段の親柱だけ再現してそこに階段があった痕跡を表現した。
それまではツタのからまる水道の塔に薄汚れた扉であまり中をのぞく気になれなかったが、生まれ変わった玄関は、レトロでおしゃれなデザインにブラッシュアップ。これまでにも増して市民のシンボルとして親しまれることは約束されたも同然だ。