JRのダイヤ改正にあわせて17日、JR越後線の内野ー吉田駅間で3往復を増便する3年間の社会実験が始まったのに伴ってこの日、吉田駅と内野駅で出発式、巻駅で記念セレモニーが行われた。
JRと新潟市、燕市が連携して行う社会実験。午前10時時台から午後3時台まで、内野−吉田駅間はで下3本ずつ、計6本を増便し、日中の運行を約60分間隔から約40分間隔に短縮して利便性を図る。新潟市住民が平成22年12月に4万人を超す署名を篠田昭市長に増便を陳情、翌23年1月に篠田市長らがJR東日本新潟支社に要望したのがきっかけで実現した。
初日の吉田駅では、増発列車の第一便となった午前9時52分発新潟行き列車の到着前からホームで出発式を行った。地元自治会長や関係者20人ほどが集まり、「祝越後線増便」とある横断幕の前で鈴木力燕市長、JR東日本新潟支社総務部の辻村博則企画部長、今則雄吉田駅長の3人がそれぞれあいさつ、握手したあと、鈴木市長と辻村企画部長は、「湘南色」と呼ばれる115系電車に乗り込んだ。
それから3つ目の巻駅で下車すると、その停車時間を利用してホームで記念セレモニー。鈴木市長と篠田昭新潟市長を中心に7人でテープカットを行って増便を祝った。鈴木市長は再び列車に乗り込で警笛を響かせて出発。内野駅まで向かってから午前11時3分内野駅発の列車で吉田駅へ戻った。
吉田駅の出発式で鈴木市長は「そのあと続くかどうかはわれわれ地元の人間が利用させていただくかどうかにかかっている」。辻村企画部長は、人口の減少や車社会で首都圏以外で「列車を増やすのは大変厳しい状況」だが、「全社を挙げて取り組みが成功するかどうか注目している」、内野ー吉田駅間で「1日350人のお客さまが増えていただくことが、この列車を維持するために必要なこと」と沿線住民の利用に期待した。
新潟市では、駅から遠い人も利用しやすいよう、巻、越後曽根、越後赤塚の各駅前に駐車場を借り上げて利用者が無料で利用できるパーク&ライドを4月から1年間、実施する。一方、鈴木市長は県職時代、吉田駅から電車通勤しており、JRの電子マネー「Suica」も今も持っている。今も公務で県庁へ出向くことは多いが、一昨年の退職以来、越後線を利用したのは初めてだったが、鉄道を生かした市のPRにも積極的に取り組む考えだ。