三条市の第一中学校区小中一体校を建設するための建設費約61億円を支出しないような措置を勧告することを求める住民監査請求を2月に申し立てた「私たちの三条市をつくる市民の会」などの監査請求人による意見陳述が、21日午前9時から三条市厚生福祉会館で行われた。
監査請求人は、同市民の会と「小中一体校の問題を考える会」の役員など10人。うち、同考える会の外山晴一会長をはじめ7人が出席。監査委員は、大久保秀男代表監査委員はじめ3人、監査委員会事務局2人、市教育委員会から池浦部長はじめ3人が出席。監査請求人が順番に意見陳述を行った。
請求の趣旨は、「三条市長国定勇人氏に対し、三条市立四日町小学校、同条南小学校、同南小学校、および三条市立第一中学校を統廃合し、一体校として建設するための建設費61億3,597万円6,500円を支出しないような措置を講ずるよう勧告することを求めます」。
違法・不当とする理由は「教育委員会の議決がないこと」、「児童生徒、地域・保護者に甚大な被害不利益を与え、将来にわたって三条市の学校教育を破壊する学校の統廃合」、「法律が求めている十分な説明や慎重な判断・手順を無視」の3つを述べて、スクールバスの問題、乗り入れ授業や交流活動の問題、1,500人規模の一体校にグランドや体育館やプールが1つずつしかない狭い敷地の問題など、それぞれの詳細も述べた。
さらに、なぜ財務監査請求を行うことになったかとして、「そもそも住民アンケートを無視する市長はアンケート結果を1ページたりとも読まないと議会で答弁され、その上に『反対する者は特別の考えを持つ団体』と公言し、民主主義のルールを踏みにじる発言をしております」とし、「政治家である市長は結果に責任を持たねばなりません」。
また、「『一体校は協議会で決定しました』と市の広報紙を通して違法を隠して市の思うままにことを進めてきたから、私どもはやむにやまれず財務監査請求をすることになりました」、「市民を欺いてまで市の意向を通し、学校の統廃合を進めることは、三条市の教育を破壊することになり、長年培ってきた市民の教育財産を失うことになってからでは遅いと思い、あえてこの段階で工事を停止し、住民の声を聴くべきであることをくり返し訴え、意見陳述とします」と述べ、1時間で終わった。
同請求は、2月24日に申立てをされ、その後、内容の不備など3月2日に監査委員会が補正を求め、12日に再提出された。翌13日の監査委員会で受理を決定し、この日の意見陳述となった。今後は、監査委員会が教育委員会から説明を受けるなど調査をすすめて、請求理由が認められない場合、請求理由があると認められる場合、または不適法として却下などの決定をし、5月の黄金連休前には請求人や市に結果を通知する。