三条市内24小学校すべては23日、卒業式を行い、合わせて1,036人が6年間の課程を修了した。1年前に新しい学校に転入した福島県から避難した児童たちも門出を迎えた。
三条市立三条小学校(丸山修校長・児童124人)は昨年、福島県から避難した児童は市内で最も多い19人が転入し、この日、5人が卒業を迎えた。
午前9時半から体育館で行った卒業証書授与式では、在校生や保護者が、進学する中学校の真新しい制服を着た卒業生を拍手で迎え、丸山校長は男子13、女子10、計23人の卒業生ひとり一人に「おめでとう」と声をかけて証書を手渡した。
丸山校長は式辞では、感謝の気持ちをもってほしい、優しい人になってほしいと2つをはなむけの言葉として贈り、「人との支えあいに感謝し、前へ進んでください」と述べた。
児童が言葉の掛け合いをする「門出の言葉」では、卒業生が6年間を振り返り、福島から避難した卒業生からは「福島から避難してきた僕たちを温かく迎えてくださってありがとうございました」との言葉も。途中には合唱も入り、さらには5年生児童が「凧揚げ太鼓」を演奏して卒業を祝った。
式のあと、卒業生は教室に戻り、最後の学級指導。卒業生ひとり一人が教室内にいる保護者に笑顔と涙を浮かべて直接、感謝の言葉を伝えた。
南相馬市小高区の菊池翔生君は母親を前に照れていたが、「12年前、生んでくれてありがとう」と言葉を詰まらせ、「一年前、東日本大震災が起きて大変でしたが、お母さんがいてくれたから生きていられたんだと思いました」と、涙をぬぐいながら感謝の気持ちを伝えた。
卒業生23人は4月、1人が福島に戻って南相馬市立原町第一中学校に、2人が県立燕中等教育学校に、20人が第三中学校に入学する。三条市内の中学校の入学式は4月6日。