燕商工会議所(山崎悦次会頭)の首都圏等人材交流特別委員会(委員長・細川哲夫委副会頭)は22日、東京都・八重洲富士屋ホテルで燕市と首都圏の業界が交流し、マッチングを図ろうとその名も「東京つばめ交流会」を開いた。
燕市から30人、首都圏から50人の約80人が参加した。開会のあいさつで首都圏等人材交流特別委員会委員長の細川哲夫副会頭は開会のあいさつで、首都圏の産業と連携することで燕市の産業を活性化できるのではないかと昨年、同委員会をつくって活動を開始し、最初の取り組みとして、燕に縁のある人や産業活性化に貢献したいと思う人の支援でこの東京つばめ交流会の開催に至った経緯を説明。「今後、このような我々の活動が、産業活性化のモデルとなるように拡大していきたい」と期待した。
鈴木力燕市長は燕市としての活動を述べた。「子どもたちがふるさとを誇らしく思う、夢をもてるまちづくり、輝いているまちづくりを考えてきた」とし、前日にご当地かるた「つばめっ子かるた」が完成したことを紹介。一方で輝くまちにするには産業が重要で、フェラーリのデザイナーで知られる奥山清行さんがデザインしたワイングラスの製造、東京ヤクルトスワローズとのコラボによる「つば九郎米」の販売にも取り組んでおり、「さまざまな“燕”を世の中にどんどんアピールしていきたい」と述べた。
懇親会では同じテーブルに着いた人はもちろん、参加者名簿にある仕事内容を確認してマッチングしそうな人に積極的名刺交換に行く人が多かった。首都圏側の参加者は建築、電気、食品、流通など業種は幅広く、金属加工とは縁がなさそうな人もいたが、それぞれ自社の業務を紹介しながら、接点を見つけようと連携、協力を模索していた。
燕市側出席者は多くは金属加工業を経営する人だったが、詳しく聞くと樹脂の成型や加工もできたり、できないこともやってみるから何でも相談してほしいと逆提案を求める人もあり、できなければ同業他社も紹介できるのでまずは問い合わせてほしいと、ものづくりのまちの「燕もん」のプライドや意地を感じさせる場面もあった。
すでに燕と縁のある人が集まっていることもあり、閉会しても会場の外でしばらくにぎやかに会話がはずんだ。ただ、欲を言えば燕市側からより多くの業種の人が参加することが期待された。
山崎会頭は、燕は産業のまちで、いい技術、いい製品を世の中に送り出しているが、あまり知られておらず、「産業観光」という形で燕の産業をもっとアピールしていきたいと言い、「景気が悪いからといってやらなければ産業自体が縮小する。こういう経済環境の中でも新しいことに挑戦したり、もっとモノづくりにこだわることも大事ではないか。その先に産業の拡大、雇用の創出、さらに燕全体の活性化に向かうはずだ」と話した。
総合食料品の販売などを行う株式会社吉池=東京都台東区上野=の高橋登会長は、「東京つばめ交流会は商工会議所が立案し、主体となって活動を開始、ある意味、市をも動かしたという画期的な取り組み」と評価し、「この会が今後どのように発展していくか楽しみ」と期待を寄せた。
また、懇親会中に完成した燕市のご当地映画「アノソラノアオ」の監督、ナシモトタオさんが映画を紹介、PR映画を上映して関心を集めた。懇親会の最中だったのでPR映画をよく見られなかった。東京では3月31日から「ユーロスペース」=東京都区渋谷区=で上映される。