燕市内15小学校は23日、そろって卒業式を行い、合わせて798人がそれぞれのまなびやを巣立った。
吉田南小学校(若井春雄校長・児童440人)では、男子45人、女子42人の87人が卒業。卒業式会場の体育館には紅白幕をめぐらせ、おろしたての中学校の制服の胸にコサージュを飾った卒業生は、花鉢で彩ったステージに一人ずつ順に登壇して若井校長から卒業証書を受けると、大きな声で「ありがとうございます!」と頭を下げ、席に戻ると丸めて赤いリボンで留めた。
式辞で若井校長は、同校が今の新校舎に移転して2回目の卒業式だが、中庭やプールなどの設備が整い、総務省の「ICT絆プロジェクト」に指定されて最先端の教育が始まったのも今年度からで、「今年度は本当の意味での新校舎元年で、新しいスタイルの学校生活をつくりだす年」と1年を振り返った。
自身が生まれ育った十日町で子どものころに体験したカモの親が子を守る行動をとったエピソードを紹介し、親への感謝の気持ちを忘れず、人の命を大事にするためにも「自分の命を大事にしてください」。そして卒業生らしい誇りをもち、元気に活躍することを願った。
来賓祝辞で鈴木力市長は、難病のために17歳で亡くなった燕南小学校出身の岡田可奈子さんの詩を曲にした『笑顔を忘れないで』の歌詞を引用し、中学校では戸惑うことがあるかもしれない
「笑顔があれば勇気がわき、力がわいてくる」とアドバイス。夢と希望をもって第一歩を踏み出し、燕市も夢に向かってチャレンジする人たちを応援していくと新たな門出を祝福した。
保護者の席にはお父さんの姿も目立ち、卒業生と在校生が向き合って互いに言葉を贈る最後の「さようなら!」に涙をこらえきれなかった。最後に卒業生はステージ前のひな壇に並んで『旅立ちの日に』を全員合唱して、6年間の義務教育を締めくくった。