昨年、解体撤去したものの所有権移転手続きが完了しないことから新たな買受先への売却ができない状況が続く商業施設「パルム1」=三条市神明町=を管理する三条昭栄開発(株)=代表取締役・国定勇人三条市長=は28日、第24回定時株主総会を開き、平成23年12月31日まで第24期の営業報告や決算報告の承認などを行った。
午後1時半から三条市中央公民館で開き、代表取締役の国定市長はじめ取締役4人、監査役2人、事務局2人と、株主7人などが出席。平成23年12月31日現在の貸借対照表、同年1月1日から12月31日間の損益計算書及び株主資本等変動計算書の承認を議案とし、当初、示したスケジュールから1年以上が経過しても売却手続きが完了しない現状に株主からはさまざまな質問があったものの、原案通り承認した。
営業報告では、議長の国定市長が報告書を読み上げた。パルム1跡地については、平成23年2月にパルム1の解体工事が完了したことで、地権者との建物取壊更地売買契約書等の締結に基づき、所有権移転手続きの処理に入った。しかし、地権者1人が所有権移転手続きに応じないことから、同社への土地所有権の一本化ができず、新たな買受先として公表した第四銀行への売却処理がいまだできない状況となっていると説明した。
さらに、売却代金で借入金の返済をするものであったが、その返済もままならず、借り換えを行いながら同社の運営を継続していくなかでは利息の支払いがかさんでいる。昨年11月の借り換え時に、パルム1跡地の昭栄開発が所有する持分の土地に根抵当権を設定し、融資を受けたとし、決算状況は、総収入額1,734,521円、当期純損失21,740,108円、利益剰余金期末残高は−49,488,392円と報告した。
質疑では株主から、昭栄開発が地権者1人に対して所有者移転手続きを求める訴訟を起こしていることに関連して、裁判で勝てる自信はあるのか、第四銀行への売却の見通しはあるのかなどの質問もあった。
また、売却ができないために返済できない借入金の支払利息(約743万円)や管理費などのランニングコストが今後もかかり続けていく現状のなか、貸借対照表で示した現金及び預金(9,044,376円)がなくなったらどうなるのかと質問。
国定市長は、「基本的には権利を一元化して第四銀行にお渡しするということで、ほぼすべて昭栄開発の使命は果たす。そこにうまく軟着陸ができるようにということで経営の収支のバランスをみてきたつもり」としたが、現実には、収入の見込みを断ったなかで借り入れをしていることなど、今後の取り扱いは問題意識をもっていると話した。
現状では、借入金(280,000,000円)の返済をどうするのかがいちばん大きな問題で、「わたくしども昭栄開発と融資の借り受け先という立場の第四銀行さんと、それぞれお互いが置かれている立場を十分尊重するというなかで、そのあり方について、現実的な協議を続けているところ」と、交渉中の状況だが「その協議を真摯に続けていくほかない」と答えた。
このほかも、昭栄開発の赤字は最後はどうなるのかなど質問が相次いだが、議案は拍手で承認した。最後に、議長から同社が訴訟をおこしている地元地権者でもある監査役の1人がこの日をもって任期満了で退任することを報告、再任は本人から辞退があったと述べ、40分ほどで閉会した。