三条市は30日午前8時35分から市役所で交流派遣職員等辞令交付式を行い、4月1日付けで福島県南相馬市に派遣する主事2人にも辞令を交付した。東日本大震災に伴って南相馬市の多くの市民が三条市へ避難し、職員も三条市へ派遣されたが、今度は三条市から南相馬市へと被災地の前線へ職員を送り込んで災害復旧、復興を手伝う。
全国市長会からの東日本大震災の被災地への協力要請を受けて派遣するもので、三条市は昨年3月の避難所の開設から大勢の被災者を受けていれている南相馬市への派遣を希望した。
派遣するのは、情報政策課主事の谷間稜雲さん(25)と税務課主事の宮越勇人さん(24)。4月1日から谷間さんは南相馬市総務企画部情報政策課、宮越さんは同税務課に配属される。任期は1年。
国定市長は、2人に辞令を手渡し、「いろいろな経験を積み重ねて」、「どちらの自治体に行くにしても、市民のためにこの身をささげるんだということを忘れずに、健康に留意して頑張って」と激励した。
交付式のあと、辞令を手にした宮越さんは、「あらためて身が引き締まるというか、本当に被災者のために頑張らなくてはいけないという使命を背負ったんだという気持ち」。谷間さんは、南相馬のため、三条市民の期待にも応えられるよう頑張り、「南相馬と三条のつながりが深くなるような務めができればなおいい」と話した。
また、2人とも派遣の内示を受けたときは、驚いたがやりがいのある仕事と思い、すぐに心は決まったと話していた。
式後、国定市長は20歳代半ばの2人の若さに期待し、「なによりも、三条市が持っている気持ちの温かみをストレートに南相馬市で発揮」し、「南相馬の方々の幸せを少しでも広げている役割を担って」と願った。
さらに、南相馬市民と「できる限り多くの悩みを共有してもらいたいと思うし、ともにあがき苦しみながらいい方向感を見い出してほしい」と思いを託した。