燕市は30日、市役所吉田庁舎で職員退任式を行い、31日付けで退職する42人に退職辞令を交付した。2日前に菊地剛副市長が急逝したばかり。この日が通夜のため、午後4時からの予定を2時45分に繰り上げ、動揺が収まらないなかでの退任式となった。
3月31日付けの退職者は定年22人、勧奨15人、ふつう3人、それに割愛2人。それぞれの部署などから200人近い職員が集まり、菊地副市長に黙とうをささげて開式。菊地副市長を思い、めがねをはずして涙をぬぐう職員もいた。
退職者は7人ずつ一列に並び、鈴木力市長は一人ひとりに「退職辞令です。長い間お疲れさまでした」と言葉を添えて退職辞令を手渡した。
鈴木市長は、市政の発展に尽力した退職者に感謝と敬意を表し、「わたくしどもは、皆さま方が築いてきたご功績のうえに立って皆さま方の高い志を引き継ぎ、これからも燕市の発展のために努力してまいりたい」と述べ、「ゆっくりと休まれてまた新しい道をお歩みください」と新たな門出を祝福した。
退職者を代表してあいさつした山岸正義都市整備部長は、これまでいろいろなことがあったが「市町村合併、これがわたしには大きな出来事だった」、「あれよ、あれよという間の合併」で「本当にいろんなことがあった」。
そして「いちばん悲しく、悔しい」のは「この場に菊地副市長がおられないとういこと」。本来なら「きょうわれわれを見送っていただけるはずでございました」。菊地副市長とは勤め始めから約40年間の付き合いで、いろいろな思いが込み上げ、言葉にならないが、「わたくしどもは送られるのが筋でありますが、逆にこっちが送るというようなことはまったく考えてなかった」とやり場のない怒りをかみ殺すようにとつとつと話し、「皆さま方も十分健康にご留意され、市政のますますの発展にご尽力を」と締めくくった。
退職者に各部署の職員から花束を受け取り、職員がつくる花道を抜けて退場。庁舎の玄関でも再び職員の見送りを受けていた。
昨年までは吉田産業会館で退任式を行ったが、やはり最後の退任式は役所でと、ことしは吉田庁舎で行った。退職者は昨年の24人の倍近くに増えたが、今後も退職者は増えて数年後に退職者のピークを迎える見込みだ。