低気圧が急速に発達しながら日本海を北上したため、3日は全国で暴風雨となり、燕市吉田鴻巣地内では深夜になって工場が倒壊、隣接する住宅に被害が出た。
工場の所有者など詳しいことはわかっていないが、鉄骨造と思われる長さ約50メートル、幅10メートルほどもある工場が風にあおられてひっくり返るような形で倒壊し、そのまま風下に隣接していた家の上にのしかかったようだ。
住宅の上には工場の屋根だったと思われる部分が載っている。工場があったと思われる部分は地面が黒く、資材か製品と思われる物が棚などに積み上がったまま残っており、建物がすっぽりと吹き飛んだようだ。被害に遭った家の1世帯3人は、ひとまず燕・弥彦総合事務組合消防本部防災センターに避難して夜を明かすことになった。
現場はJR北吉田駅の東側付近。風上となっていた工場西側はさら地になっていて何も遮る物がなく、風がまともに工場をぶつかったようだ。夜のため周辺の状況がわからないが、竜巻なども考えられるものの、とくに周辺でほかに大きな被害はなかったようだ。
アメダスの観測で3日の三条の瞬間最大風速は22.8メートル。しかし巻の37.9メートルなど県内各地で30メートルを超えた。燕市内ではほかにも住宅などの一部損壊が数多くあり、倒木による道路封鎖4カ所、街灯損壊2カ所、停電が燕地区数カ所などの被害があった。
燕市はこれまで総務課のなかに防災対策係を置いていたが、1日から防災課を新設してその下に防災係を置いた。それから4日目で防災課の対応となり、防災課の4人が夜間も市役所吉田庁舎に詰めて対応し、さらに避難者が出たことから2人を防災センターに派遣した。