東北電力の4日午後1時のまとめでは、暴風の影響で3日から新潟県内で延べ18万7,725戸が停電し、午後1時現在でも3,195戸が停電。市別では、新潟市(西区、西蒲区、江南区)の一部で754戸、佐渡市の一部で1,111戸、燕市の一部で1,315戸、柏崎市の一部で15戸が停電している。
燕市で停電しているのは主に燕地区の水道町。午後になって東北電力の車が停電している地区を回り、拡声器で午後4時半の復旧見込みを広報している。
停電している所では信号機も作動せず、代わりに優先でない方の道路に一時停止の標識を立てている。優先側の道路を走る車も点灯していない信号機に驚き、スピードを落としておそるおそる交差点を通過している。
燕市立水道町保育園(高井惠子園長・園児69人)も停電に見舞われた。停電で困ったのは暖房だ。同保育園の暖房はガスファンヒーターや電気カーペットで、電気がないと使えない。
そのため園内が寒く、できれば子どもは家で過ごすように、登園する場合は防寒着を着るようこの日の朝、保護者に電話した。保護者の家も停電している所が多く、持参する弁当が作れないために登園を見合わせた保護者もあり、この日は全園児の3分の1、23人が登園した。
5つの保育室があるが、園児が少ないため2つの保育室に集約して保育。一方、燕市教育委員会は白根ガスに貸し出し用の電気がなくても使えるガスストーブを同保育園に設置するよう依頼し、同社は4台のガスストーブを2つの保育室に1台ずつ、事務室と遊戯室に1台ずつ設置した。
さらに夜に備えて懐中電灯も用意。高井園長は夕方に復旧する見込みに胸をなでおろし、翌5日は入園式だけに「どうしようかと思っていました。寒いところでは申し訳ないですから。間に合うようで良かったです」と話していた。