弥彦の山開きにあわせて弥彦観光のシーズンインを告げる弥彦湯かけまつりが8日、弥彦村の温泉街などで行われた。大雪で今も山頂付近は雪が残るため、山開き行事は中止になったが、昨年は東日本大震災で湯かけまつり自体が中止になっており、2年ぶりの開催となった。
その昔、弥彦の春は大々神楽の笛の音とともに始まり、大々講の元で連なって弥彦参拝でにぎわったのに伴って弥彦観光協会が始めた行事で、ことしで第26回とまだ歴史は浅い。
弥彦神社末社で弥彦温泉発祥の地の湯神社から神湯を受け、その湯にひたしたササを振って参拝者に湯をかけながら、神湯を積んだ湯引き車でJR弥彦駅から温泉街を抜けて弥彦神社まで練り歩く。
午後から弥彦駅前で弥彦よさこい「添弥」や芸妓手踊りの披露のあと、湯引き車が出発。湯引き車の前綱には参拝者も加わった。山開き行事は中止でも、いかにもといったファッションの山男や山ガールも。「えんやー!」のかけ声で調子をとりながら、綱を上下に揺すったり、蛇行したりして綱を引いた。
後綱を引くのは燕三条青年会議所の7人も加わった弥彦神社氏子青年会。時々、湯引き車を逆戻りさせようと後に引っ張るいたずらもあり、それをけしかけるように湯引き車の上からひしゃくで神湯をぶっかけた。途中で小若たる太鼓や弥彦山太鼓の披露も行われた。
雪が残る弥彦山を仰ぎながらの湯かけまつりは異例。例年なら駅前にある早咲きのヒガンザクラはすでに散り終わっていてもいいころなのに、ことしはようやくつぼみが膨らみはじめたところだ。
風が強く、はっぴには厳しい寒さだったが、昼ころかしだいに青空が広がり、日が差して風が弱まったのは幸いで、弥彦神社へ近づくにつれて湯引き車の綱を引く人が増えていた。春の行事というよりを春を呼び込む行事となっていた。