三条署(小林国夫署長)は10日、海外通貨取引にかかる利殖勧誘の特殊詐欺の被害を防いだ三条市本町4、第四銀行三条支店と窓口で対応した女性職員に感謝状を贈った。
午後4時に同支店の高橋尚樹支店長(57)と窓口担当の高山香織さん(43)の2人が三条署を訪れ、小林署長が感謝状を読み上げてそれぞれに手渡した。
被害に遭いそうになったのは、三条市内の80歳代の女性。3月23日ころ、イラク通貨(イラクディナール)を今買えば将来、円に交換した時に儲かるといった内容のパンフレットの郵送を受け、その後、「もうけましょう」などと電話勧誘を数回、受けた。
信じた女性は、自身の金と知人の金、合わせて405万円を用意し、6日午後2時ころに第四銀行三条支店へ行き、窓口で指定された口座に振り込もうとした。
詐欺被害の可能性に気付いた高山さんは、上司と連携して振り込みをやめるように説得。あわせて三条署にも連絡し、利殖勧誘の特殊詐欺事件を未然に防止した。
電話をかけてきた相手は、自分も三条市出身で、今回は三条の人への特別な知らせとも話し、信用させていた。最近は海外通貨取引に関する特殊詐欺が増え、国民生活センターでも注意を呼びかけており、同銀行内の文書でも「イラクディナール」の事例を紹介し、注意を呼びかけていたという。
感謝状を受けた高橋支店長は、「銀行は最後のとりで」で、今後も一件も被害を出さないように、さらに見直しを図りながら取り組んでいくと話した。高山さんは、「最後にお客様からお礼の言葉をいただき、本当に良かったなと思いました。その一言に尽きます」と話した。