燕市八王寺、安了寺境内の県指定天然記念物「八王寺の白藤」の保存会「八王寺大白藤保勝会」(大原大八会長)は13日、県や市の補助金を活用してフジ棚の修理とフジのせん定、整枝の工事を始めた。工事は27日までで、この冬の大雪で3分の2が崩壊したフジ棚は、5月中旬の開花を前に工事を終わることになった。
2月半ばに約600平方メートルのフジ棚のうち、境内の奥側の約400平方メートルが雪の重みでつぶれた。フジ棚の修理は柳原組が131万2,500円で請け負い、天然記念物保護増殖事業として県から54万2,000円、燕市から38万5,000円の補助を受け、残りの38万5,500円が持ち出しになる。
さらにフジの剪定や整枝は山崎造園が32万6,592円で請け負い、燕市が16万3,000円を補助するので、持ち出しは16万3,592円。合わせると163万9,029円の費用のうち県と市の補助109万円を充てるので、同会の持ち出しは54万9,029円となる。
13日始まった作業では、クレーン車や掘削重機も投入。クレーン車で枝やフジ棚をつり上げて新たにH鋼を取り付ける形で作業を進めた。柱のコンクリートも割れたところがある。
同会は地元の有志でつくる。会長の大原大八さん(80)は、大原耕作前会長の死去に伴って昨年、会長に就いたばかり。大雪のせいとはいえ、フジ棚がつぶれたことに「三八豪雪(昭和38年の豪雪)でも落ちたけど、(会長を)受けたばっかりで申し訳ない」と心を痛めていた。
毎年、5月半ばに花の見ごろを迎えており、それまでには修理が終わることになり、「困ったんだろも、これをやってけば、これから50年は大丈夫」と安堵した。この日はちょうど同寺で理事会も開かれる計画で、持ち出し分50万円余りの工面も考えなければならないが、寄付は求めずにすみそうな状況だ。5月13日は同寺で恒例の白藤茶会も開かれる計画。