昨年は東日本大震災で中止になった第70回分水おいらん道中が15日、燕市の大河津分水桜並木や地蔵堂本町通りで行われた。サクラの開花は間に合わなかったが、抜けるような青空が広がり、一昨年と同じく8.5万人の人出でにぎわった。
おいらん道中は公募で選ばれた「信濃」、「桜」、「分水」の3人の太夫と総勢約70人の付き人で構成。午後から大河津分水桜並木、地蔵堂本町通りを進み、終盤は記念撮影にこたえる染井吉野太夫も加わった。
桜並木がピンクの花で彩られる時期に、花にちなんだ行事をと昭和11年(1936)から毎年行われており、関東や東北からも観光客を集める名物行事となっている。ことしはサクラの開花が遅れ、花はつぼみのままだったが、春本番の陽気に恵まれた。
黒塗りの三枚歯のげたをはいたおいらんは、所々で止まって外八文字を描く足運びを披露。げたを寝かせるようにして大きく外側へ動かすと、いっせいに沿道のカメラマンがシャッターを切っていた。
サクラが咲いていないこともあってか、大河津分水桜並木の人出はやや少ないようだったが、同時に本町通りで行われた本町テント村は例年を上回るにぎわいだった。飲食関連の出店のほか、おいらんとの記念撮影、おいらんと同じ衣装をまとうおいらん変身コーナー、分水花見音頭や分水太鼓のアトラクションも行われた。