東日本大震災で三条市の避難所のひとつ、三条市総合福祉センターに避難し、その後福島県南相馬市に戻った人たちが15日、一年前に花見を楽しんだ三条市総合運動公園で再び「花見」を行い、サクラの花に早かったものの、三条市内に避難している人たちと再会し、話の花を咲かせた。
南相馬市からの一行は29人。「小高区三条会」の団体名をつけた観光バスで昼前に三条市総合福祉センターに到着し、避難所でボランティアをした三条市民が出迎えた。
国定勇人三条市長も出迎えて一緒に記念撮影などをしたあと、総合運動公園の芝生広場で花見。今も三条市に避難している35人と交流ルーム「ひばり」のスタッフやボランティアら50人ほどが青いビニールシートを敷いて待ち、久しぶりの再会に、「元気だった〜」、「お世話になりましたね」と手を取り合って喜ぶんだ。
公園内のソメイヨシノはまだつぼみだが、17.2度まで気温が上がるい暖かい陽気。弁当を食べながら話をはずませた。「南相馬のサクラは今日明日くらいで開花宣言かな」と互いの近況を話すうちに神妙な表情になる人もいたが、昨年の花見ではサクラは満開だったと話す女性同士は「でも心は満開だからね!」と笑った。
南相馬市から約5時間の長旅をねぎらわれた男性は「遠いとか近いとかではなくて、三条は第二のふるさとだ」、「きのうの夜は4回くらい目が覚めた」と、わくわくの旅。昨年8月に南相馬市へ戻って7カ月余りたち、「懐かし〜な〜」と避難所での生活を思い起こすようにしみじみと福祉センターを見上げる男性もいた。
花見会場に向かったバスを手を振って送り出した国定市長は、「元気そうで何より。絆を忘れずに、三条市にお越しいただき、本当にありがたいこと」、「ことしの野馬追には今度は三条から(南相馬市へ)」と、ひとつひとつを積み重ねていきたいと話していた。
南相馬市からの一行は、三条で花見を楽しんだあとは、午後3時から燕市の「分水おいらん道中」を見物、寺泊に宿泊した。