燕市は、今年度から「定住促進・まちなか支援事業」に取り組んでいる。子育て世代を対象に指定した地区で住宅取得費の一部を転入者は最大100万円、市内在住者でも同じく50万円を補助するもの。4月から申請を受け付けたが、16日で予定額の1,000万円に達する人気となった。
対象は、転入者は都市計画用途地域、市民は人口集中地区(DID)で住宅を取得する場合。さらに両者に共通で40歳未満、金融機関との借入契約が償還期間10年以上、2人以上での居住などの要件がある。
補助金額は転入者、市民とも基本額が30万円を上限に補助対象金額の3%。加えて加算額として転入者は50万円を上限に補助対象金額の5%、共通で15歳以下の子ども3人以上の多子世帯該当者が10万円を上限に補助対象金額の1%、市内建築業者を元請けに活用すると同じく10万円を上限に補助対象金額の1%が上積みされるので、最大で転入者は100万円、市民は50万円の補助となる。
申請の受け付けは4月スタートで、1日は日曜だったので、実質的な受け付け初日の2日だけで7件の申請があった。最初の週だけで10件に達し、半月たった16日で14件となったところで補助金額の合計が予定額の1,000万円に達した。
補助金額は30万円から90万円であり、80万円がいちばん多かった。転入者10件、市民4件と転入者が多かった。地区別では燕地区4件、吉田地区3件、分水地区7件と分水地区が多かった。3月いっぱいで分水地区の対象地域に民間の住宅団地の造成された影響があったようだ。
ただ、予定額に達したものの、申請者の都合で減額や中止があった場合は繰上げ認定を行うので、いわばキャンセル待ちの認定申請を引き続き受け付ける。
「予想以上の申請の多さでした」と五十嵐一夫都市計画課長。予定額に達した後も「補助制度について問い合わせがありますが、予定に達したことを伝えるのは心苦しいです」とまさにうれしい悲鳴だ。
この事業は3年間継続の予定。初めての今回は、すでに住宅取得の準備を進めている人が補助対象であることを知って申し込んだケースが多いと思われる。それぞれの申請の経緯については、アンケートをとって動向を調査するが、継続することで同事業の補助金を当て込んだ対象地域での住宅取得も増えてくるはずだ。五十嵐課長は「できる限り追加補正をお願いしていきたい」と話している。
一方、同じ事業で3月にスタートした「空き家・空き地活用バンク」の活用がいっこうに進まない。まちなかで増加傾向にある、売ったり貸したりしたい空き家や空き地の物件情報をホームページ上で公開。市内の定住促進、空き家や空き地の利活用による地域の活性化、用途地域内に残る低・未利用地の活性化で周辺農地への乱開発に対する抑制を目的としている。
空き家・空き地の所有者が情報登録者となって市に登録を申し込めば、空き家・空き地を求めている人からの活用申し込みを市が通知してくれる。登録はもちろん無料で手数料などもいっさい発生しない。
市は3月に入って間もなく燕地区水道町4の市の所有地2件を登録したが、3月中にいずれも売れた。しかし、市民や不動産業者からの登録申込みは4月16日現在、まだ1件もない。「不動産情報を見たいという問い合わせがあるんですが」と、五十嵐課長は登録を待っている。これらに関する問い合わせは都市整備部都市計画課(電話:0256-97-2111、分水庁舎)へ。