燕市教育委員会は、燕市郷土史研究会連合会(石黒克裕会長)との編集で、このほど燕の歴史と民俗記録をまとめた『郷土史燕』第5号を発刊した。
A5判、202ページで、表紙は2010年に下中野町内会館新築奉祝で上演された燕市吉田地区、下中野集落に伝わる県指定無形民俗文化財「下中野御神楽舞」を撮影した写真をデザイン。燕市郷土史研究会連合会会員が寄稿した郷土史に関する調査や考察、古文書の読みくだしなど14編を収録する。
毎年刊行しており、専門書ではなく身近な郷土史が記されているのが魅力。福島県会津柳津の虚空蔵菩が元が米納津にあったものが盗まれたという説を調べたり、近所にあった「松長村道路元標」が気になって調べたり。昭和11年に燕洋食器工業組合が発行した小冊子「燕洋食器の栞」の紹介や昨年行われた「戦没者遺児による慰霊友好親善事業」で東南アジアでの洋上慰霊に参加した記録もある。
400部を作成し、関係者や市内小中学校への寄贈分などを除く236部を一部700円で頒布している。頒布場所は市教委生涯学習課文化振興係をはじめ、燕市立図書館、吉田図書館、分水図書館、長善館史料館、分水良寛史料館。問い合わせは市教委生涯学習課文化振興係(電話:0256-63-7002、燕市総合文化センター内)へ。収録内容、寄稿者は次の通り。敬称略。
地名と郷土史 米納津の虚空蔵様について | 幸田昭 |
良寛詩歌を読む | 塚本智弘 |
延享元年 清伝寺本堂建立とその歴史的意義 | 亀井功 |
宝暦七年 横田切れの考察〜くどきに謡われた一夏に四度の大洪水〜 | 亀井功 |
「松長村道路元標」のこと | 北沢昭松 |
遺跡から見える古代の吉田 | 本間敏則 |
史料紹介 燕洋食器工業組合発行「燕洋食器の栞」 | 小林佐武郎 |
史料紹介 桃林齋 雲高山蘭若奉納和歌百首之写 | 松沢佐五重 |
史料紹介 国上の雑録 その一 | 渋谷啓阿 |
熊森村弘化二年「村用日記」を見る | 塚本智弘 |
史料紹介 ー取材ノートからー 熊木家蔵「安政二歳 道中付」 | 松沢佐五重 |
史料紹介 文化六年 地蔵堂組田畑御案内帳(その四) | 西海土寿郎 |
「慰霊友好二十周年記念洋上慰霊」紀行 | 小沢悦郎 |
吉田郷土史研究会研修 潟東周辺の歴史散歩 | 宇佐美徳三 |