22日夕方、三条市下田地区の牛野尾地内で土石流と思われる土砂災害が発生し、付近の5世帯16人が牛野尾ふれあいセンターに避難した。人的被害はないようだ。
午後5時20分ころ、付近の人が土砂が流れてくる音などを聞き、5時半に住宅付近へ土砂流出を確認。三条市は午後6時37分に三条市対策本部を設置し、7時に吉田副市長が現地に到着し、牛野尾ふれあいセンター内に現地対策本部を設置した。
被害のあった場所では、住宅などがある裏の山手に「中の沢」という沢があり、その方向から土石流の可能性のあるやわらかい土砂と直径1メートルはある雪のかたまりなどが流れ、さらに水害のあと積んであった重さ1トンの大型土のうや大きな岩のようなかたまりなども押し流されていた。
午後10時半現在の市の発表では土砂災害の規模は目視による確認で幅約100メートル、奥行き400メートル。車庫2棟に土砂が流入していると思われる。
現場は県道鞍掛八木向線沿いの寺福寺近くで、昨年の7.29水害でも「中の沢」から流れてきた土石流と思われる石や土砂で住宅3棟が全壊した場所。民主党の岡田克也幹事長も昨年8月7日に被災地視察で訪れた現場でもある。
ふれあいセンターに避難していた常福寺の住職、佐野典伸さん(67)によると、地鳴りのような音がして異変に気づき、窓の外を見たら土砂がゆっくりと流れていた。そのあとを追いかけるようにもう一度、流れてきたのが見えて避難した。近所で農作業していて発見した人が大きな声で「車を出せ!」などと呼びかけてくれたと言う人もいた。
同所は昨年の水害後、大型土のうを積み、仮排水路を設置するなどして復旧作業を行い、今年度、砂防ダム建設の工事に着工する予定だった。
市では翌22日午前6時半から現地で応急対応を協議し、8時から災害対策本部会議を開く。被害状況や対応など詳しくは翌朝、明るくなってから調査する。22日午後11時現在、被害の起きている場所では、消防団が50人体制で警戒にあたっており、水が住宅の方に流れてきたことから土のうを作って設置している。現地対策本部では、県、市、警察、消防、建設業者、自治会長、地元市議、県議など20人近くが詰め、対応にあたっている。