三条市牛野尾地内の土砂災害で、県三条地域振興局は25日夜、牛野尾ふれあいセンターで2回目の住民説明会を開き、29日を応急工事の作業完了の目標にしていることなどを説明した。
県三条地域振興局の担当は、土砂の動きは22日夕方から止まっているが、崩壊場所が拡大してさらに土砂が崩れることや、沢にたまった土砂の流出が心配されるため、24時間体制で対応しているとした。
応急工事の進捗は、進捗表を示して説明。これまでの対応は、警報装置の土石流センサー設置、市道の土砂撤去、大型土のう積みの追加や新規など5カ所のうちの2カ所が完了している。
今後、土のう積の3カ所、異形ブロック設置、水抜き水路、雨量計設置などの工事を行い、すべての対応が29日までに完了する予定とした。
住民からの質問の答えて、避難している人が家に戻られる時期については、「三条市からは避難勧告が出されているわけではないので、避難解除は出ないが、いちおう工事が終わると当面、大雨が降らなければ安全が確保されるのでは」との見通しを示した。
ただ、これから梅雨の出水期に向かい、牛野尾地域だけではなく昨年の雨で土砂災害が発生しているので気象情報だけは注意をと求め、「大雨警報が出た場合はできれば、このふれあいセンターなどに避難していただきたい」と話した。
土石流センサーが作動したら、県道近くに設置している警報器の赤色灯がつき、サイレンが鳴る仕組みだが、試験の結果、スピーカーの増設やメール配信も検討している。
住民からは、天候や時間など家の中にいるとサイレンが聞こえない可能性があり、さらに耳が聞こえにくい高齢者もいることから、家の中で赤色灯を設置したり警報が聞こえる方法がないかなど、できるだけの配慮を要望。「復旧工事は早い対応ですごいなと思っているが、次の災害が怖いと思うので」と話し、たび重なる災害体験に安全を十分に確保するよう念を押す人もいた。