新潟県三条地域振興局は26日、燕三条リサーチコアで第6回にいがた県央マイスター認定証授与式を行い、先の審査で内定した県内唯一のきせる職人飯塚昇さん(77)=燕市秋葉町・きせる屋のぼる=に「キセル製作」の称号の認定証を贈った。
にいがた県央マイスター制度は、県央地域の高度な産業を支える卓越した技術者や技能者を「にいがた県央マイスター」に認定、表彰して技能の維持や継承、人材の確保や育成を図ろうと、平成17年に創設された。
第6回の今回は飯塚さんひとりが応募。選考委員会(選考委員長・古川徹新潟大学美代教授、委員9人)が審査し、岡田伸夫三条地域振興局長が認定。飯塚さんは25人目の県央マイスターとなった。
飯塚さんは昭和9生まれで、25年にきせる職人だった父に弟子入りした。45年ころに一度は転職をしたが、定年を迎えた60歳から再びきせる作りに戻った。今は国内で数人しか残らないきせる職人のひとりだ。
燕市産業史料館で開かれている「燕手仕事展」に毎年出展しており、今も5月6日まで開かれている「第38回燕手仕事展」に飯塚さんのきせるが展示されている。
また、きせる製作は江戸時代から続く燕の伝統産業で、鍛金技術と彫金技術が一体となって発達したその技術は、昭和52年に燕市の無形文化財に指定されている。
授与式では、先輩の県央マイスター20人と審査員、来賓の鈴木力燕市長はじめ、斉藤弘文三条商工会議所会頭、山崎悦次燕商工会議所会頭など関係者が見守るなか、岡田局長から飯塚さんに、「にいがた県央マイスター」の認定証と記念の盾を手渡した。