東日本大震災の震災がれきの受け入れを表明している三条市は4日夜、放射能とは何かなど基本的な知識について学ぶ「放射能と私たちのくらし」をテーマにした市民学習会を開き、95人(主催者発表)が参加。質疑では放射能の測定方法や焼却炉のことについてなど市の受け入れ表明に対する不安や不満の声を述べる人もいた。
市内を巡回し8回開催するうちの第1回目。この日の講師は、放射能研究者の獨協医科大学の木村真三准教授。木村准教授は、昨年、放送されたNHKのテレビ番組の特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」で、福島県内各地の放射線量を測定する様子が全国的に大きな反響を呼び、現在もチェルノブイリ原発事故で汚染されたウクライナや福島の調査を続けている。
木村准教授は、昨年3月の福島第一原発の事故で放出された放射性物質は、福島県やその周辺の地域では汚染がひどく避難しなければならない場所も出たが、風に飛ばされたりして、広く日本中を汚染している。また、その後、山々に付着したものが雨などで流れ、河川を流れていることなども話し、放射線とはどういうものか、人体への影響などについて話した。
質疑では、がれきを受け入れの場合の放射能の測定方法、がれきの焼却の関係で国の示している方法などへの見解を求めるなど、次々と手が上がった。
なかには、「木村先生にお伺いすることはございませんが」と言い、市民部長を相手に「本来、安全安心にかかわること、国定市長ひとりが判断することではない。いったん白紙撤回をして、きめ細やかな説明会をもって市民の意見を集約したうえで議会に諮り、決めればいい」と声を荒げて10分近く意見を述べる人もいた。