加茂青年会議所(高取成基理事長)は、この秋に加茂山で行う小京都を楽しむ会「AKARIBA 2012」のなかで昨年に続いてあかりの結婚式を行うのに伴い、結婚式を挙げるカップル1組を募集している。
「北越の小京都」とも呼ばれる加茂市の情緒を生かしたイベントをと年々、規模を拡大してあかりをテーマにした「AKARIBA」を行い、さまざまな照明で加茂山を彩って市民に楽しんでもらっている。
加茂山中腹には青海神社がある。近くの清雲亭「山重」=加茂市仲町=は新郎新婦を人力車に乗せて同神社で挙式するプランがあり、それを「AKARIBA」の目玉に取り込もうと昨年、初めてあかりの結婚式を行った。商店街大通りを人力車と稚児が行列し、境内で歌舞音曲、青海神社で挙式、新郎新婦でキャンドル点火、最後は花火打ち上げのサプライズもあり、大勢の見物客を集め、話題を呼んだ。
当然、ことしもあかりの結婚式を行うことに。イベントが夜までかかることから、ゆっくり見学できるように土曜の9月22日に設定。募集している対象は平成24年度中に結婚のカップルで、すでに結婚していても構わないが、本番当日と事前の打ち合わせに必ず出席する。住所や年齢は問わない。ふたりの衣装やヘアメーク、神事などにかかわる費用はいっさいかからない。
昨年は21組の応募のなかから、十日町市出身で加茂市に住んでいたたんす職人酒井裕行さん(27)、田上町に生まれ育って和裁の仕事に就く久美子さん(31)夫婦が選ばれた。昨年11月に披露宴を行ってから新潟市秋葉区にアパートを借りて暮らしている。
間もなく吉報が届いた。久美子さんが妊娠。7月の終わりに男の子を出産予定だ。子どもは「早くほしかった」と久美子さん。裕行さんは「もっと苦戦すると思ってたんですけど」とにっこり。子宝の御利益を授かった。
イベントは午後から夜にかけての長丁場だったが、思ったほど時間は長く感じなかったと言う。裕行さんは「最初はただで式ができるくらいな気持ちだった」が、久美子さんは「あんなに大勢の人が来てくれる立派な式になるとは思っていませんでした。
沿道を埋める見物客に裕行さんは「芸能人になったような気分」を味わい、周囲には「うらやましいを通り越して悔しいって言われるくらいで」。あかり結婚式の先輩としてのアドバイスは「絶対、やる気がないとだめでしょうね。綿密な打ち合わせをしてJCを理解し、町を良くするくらいの気持ちで…ちょっとハードルを上げ過ぎかな」と笑う。
あかりの結婚式を企画、運営した加茂青年会議所に対する感謝の気持ちは大きく、その活動の重要性も理解した。裕行さんは「今度は明かりを作る側に参加したいし、自分たちでもできる範囲で協力していきたい」と言い、「ことしのAKARIBAは3人で見に行きたいね」と久美子さんと目を合わせた。
参加したいカップルは6月15日まで郵送、ファクシミリ、メールなどで同青年会議所事務局(電話:0256-53-3241)へ申し込む。問い合わせも同事務局へ。