7月スタートする再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の方針が示されたことから、燕市とPVP JAPAN(株)(窪倉敏代表取締役)は10日、燕市の遊休地を利用したメガソーラー発電所の建設と運営で調印式を行った。6月に着工、約3億円で建設し、8月の運転開始を目指す。
午前10時半から市役所で鈴木力市長と窪倉代表取締役が燕大規模太陽光発電施設(メガソーラー発電所)建設及び運営に関する協定書に調印した。
鈴木市長は電力買い取り価格案で太陽光が1キロワット時当たり税込み42円と示されたことを「想像以上に高い価格でびっくりするやら、うれしいやら」。自治体としてのエネルギー政策への貢献、全国にも発信できる遊休地の利活用のモデルケース、関連産業への波及効果の3つの視点から取り組んでいきたいとした。
PVP JAPANの窪倉代表取締役は、「事業の収益もさることながら、燕市民さまに対しても再生可能エネルギーの普及、啓発に関しましても積極的にお手伝いをさせていただければ」と話した。
燕市は、燕・弥彦総合事務組合が燕市上河原地内に所有する吉田南最終処分場跡地約4万平方メートルの無償貸与を受け、それをメガソーラー発電事業者に無償貸し付けしてメガソーラー発電を推進しようと、ことし2月から事業者を募集。3社の応募があり、プロポーザルの結果、窪倉電設(株)(窪倉保代表取締役・神奈川県横浜市港北区)を選定した。
4月下旬に電力の買い取り価格を示したのに伴ってこの日の調印となったもので、窪倉電設は燕市にその事業主体となるPVP JAPANを設立した。「PVP」の名称は「Photovoltaics Power」に由来し、「Photovoltaics」は太陽光発電の英語。
窪倉電設は、これまでも太陽光発電装置の設計、施工を数多く行っているが、自社で発電事業に取り組むのはこれが初めて。PVP JAPANは、リスクヘッジの面からもまだ場所は明かせないが全国の4カ所のメガソーラーの建設を計画しており、燕市がその第一号で、燕市の建設が終わりしだい次のメガソーラー発電所の建設に着手する考えだ。
ソーラー発電はメンテナンスがほとんどないのが特徴だが、発電した直流を交流に変換するパワーコンディショナーの温度管理や施設管理の管理者を地元採用する。子どもたちが見学できるような展望台を設置し、新庁舎には発電状況を確認できるディスプレーを設置する。
建設工事は地元の建設業者や土木業社に発注し、資材などもできる限り地元調達する。想定発電量は96.1万kWhで、1キロワット時当たり42円の買い取り価格なら1年で4,000万円余りとなる。想定買い取り価格を超えた分については、その数パーセントを燕市に寄付する。