フジテレビ系の人気番組「ほこ×たて」で、絶対に曲がらないスプーンとしてユリ・ゲラーさんとの対決に勝った燕市大曲、山崎金属工業(株)の最強スプーン「コブラ」が12日から地元の燕市産業史料館で公開される。
山崎金属工業は「YAMACOブランド」で知られる高級洋食器メーカーで、1991年以来、ノーベル賞の晩餐会用のオリジナルテーブルウェアを担当することでも知られる。
4月29日放送の番組で、「【絶対に曲がらないスプーン】VS【ユリ・ゲラー】」のテーマで対決。スプーン曲げの第一人者ユリ・ゲラーさんは「コブラ」を曲げることができなかった。
「コブラ」は、20年以上前にフォークやナイフとともにデザインされたステンレス製のテーブルスプーン。欧州などで販売したが、現在は販売していない。柄が驚くほど分厚いのが特徴でずっしりした重さがあるが、持ちやすい形状だ。テレビ局から依頼を受けた同社取締役工場長の山崎修司さん(38)が、同社最強のスプーンとして選び、対戦に臨んだ。
人気番組に取り上げられた反響は想像以上だった。同社には電話やメールで100件以上の問い合わせが寄せられた。ホームページはアクセスが集中して一時、閲覧できなくなったほど。そのため、同社では「コブラ」の限定的な販売も検討している。
山崎さんによると、対決相手は本番まで聞かされず、放送にもあったが名刺交換の時にユリ・ゲラーさんが現れて本当に驚いたと言う。子どものころ、ブームだったユリ・ゲラーさんのスプーン曲げをテレビで見て「うちのは絶対、曲がらない」と思っており、おとなになって工場に入ったときにも同じことを社員にも話していた。
そんな思い入れのあるたユリ・ゲラーさんとの対決にテレビ番組での対決は「楽しかった」と笑顔。ユリ・ゲラーさんは「温かく器のでかい人」で、自社のスプーンがユリ・ゲラーさんを負かした結果には「複雑な気分」と気遣う。ユリ・ゲラーさんは曲げられなかった「コブラ」を記念にと持ち帰り、空港で「コブラ」とともに撮影した写真をさっそくメールで送ってくれた。
さらに、同史料館から「コブラ」展示の話があったことを伝えると、持ち帰った「コブラ」の代わりにと、ユリ・ゲラーさんがマイケル・ジャクソンの前で曲げたスプーン、イギリスのチャーチルが使用していたというスプーンの彼の2つの宝物と、番組内で曲げたスプーンの3点にサインをして山崎さんに送ってくれた。
同史料館では、「コブラ」と山崎さんの好意でユリ・ゲラーさんから贈られた3つの曲がったスプーンもあわせて展示する。午前9時から午後4時半まで開館、休館日は月曜、祝日の翌日、年末年始。入館料は高校生以上300円、中学生以下100円。