燕市教育委員会と燕茶道友の会(佐藤和子会長)は13日、県指定天然記念物「八王寺の白藤」を保存する燕市八王寺、安了寺で第36回白藤茶会を開き、190人が参加してフジの花の香とともに茶を味わった。
「八王寺の白藤」の開花期にあわせた毎年恒例の茶会。この冬の大雪で約600平方メートルあるフジ棚の3分の2がつぶれ、花房の数は少なく、例年と比べるべくもないが、花の見ごろの時期にぴったり重なったのが、せめてもの救い。棚の正面はつぶれなかったので、何とか格好がつくていどには咲いてくれた。久しぶりの好天にも恵まれて花見客に切れ目がなかった。
茶会の席主は裏千家の相場宗典さん=燕市杣木=。菓子の名は「藤の花」で、床の間には鎌倉は円覚寺の慈雲老師の書で「おかげさまいっぱい」、田上町の竹芸作家・小菅吼月さん作の投げ入れにはショウブとサクラウツギの花と趣向を凝らした。
花見に訪れた茶会を知って参加した人にも相場さんは懐紙を用意し、「合図をしますから、そしたら菓子をお召し上がりください」と初心者にも優しく手ほどき。茶席からは窓の外にフジの花を眺めることができ、参加した人たちはあでやかな和服でのもてなしや趣向に時間を忘れていた。