東日本大震災の震災がれきの受け入れを表明している三条市は19日、栄地区の栄公民館で「放射能と私たちのくらし」をテーマに市民学習会を開き、約80人が参加。この学習会はあくまでも公民館事業の研修とする市側に対し、がれき受け入れに関する説明会の開催を求める意見が複数あった。
8回計画した学習会のうち、この日は4回目。午前10時半から開き、年配の男性が目立ち、若い人はほとんどいなかった。
講師は環境スペシャリストの小林日登志さん。放射性物質をたき火に例えて、たき火の大きさを「ベクレル」、たき火から届く熱の量を「シーベルト」と単位や放射線の種類を説明したほか、人体への放射能の影響、日常生活に存在する放射線被ばく、食品基準とがれき処理の基準などをわかりやすく話した。
また、「怖いのは風評被害」で、事実に基づく放射線の影響を理解した上での判断、保管や処理は測定が大切と述べた。
質疑では、次々と手が上がった。がれきを受け入れは市民の健康や環境にどんな影響があるか、三条市を流れる五十嵐川の上流にある終末処理場に焼却灰を埋めると下流に影響があるのではないか、三条市の焼却施設の安全生の確保など、放射能全般というよりは、三条市の設備や環境など具体的な不安や疑問の声が相次いだ。
ごみ処理施設に近い自治会の住民は、受け入れについての対象を広範囲とした説明会の開催を要望した。ごみ処理施設のある自治会などでは市が住民説明会を開いたが、その自治会に隣接する自治会での開催はなく、自治会長を通じて同地域でも住民説明会の開催を要望したが、三条市からはこの日の学習会で対応してほしいと回答があったと述べた。
しかし、この日は、学習会冒頭の市民部長の開会あいさつ、生涯学習課長のあいさつ、いずれも「放射能についての基礎的な知識を身につけていただく場で、政策的な論議をする場でないということをお断りさせていただきたい」として開催、講師からは三条市の受入れについての具体的な話はもちろんなく、説明会の開催をあらためて求めていた。
学習会後に農家の男性は、「これだけ不安をもっている人がいるなかで、なぜ市は説明会を開かないのか。学習会とは別に説明会を開く必要があるのでは」と話していた。第5回目以降は、6月10日と16日の2日間の開催。内容は次の通り。
■講師
■開催日・会場など