燕市宮町、戸隠神社(星野和彦宮司)は20日が春季例大祭で、19日はその宵宮。昨年は東日本大震災で大幅に内容を自粛したが、ことしは例年通りの春祭りが復活。木場小路万灯組と横町万灯組の2基の万灯が繰り出して女の子が「伊勢音頭」を踊って回り、絶好の好天にも恵まれて大勢の人出でにぎわった。
昨年の春祭りは万灯はなく、踊りは木場小路万灯組だけが本来は12人編成のところ7人編成に縮小して例大祭では行わず宵宮でだけ行った。ことしは両方の万灯組がそろった。大通りには昨年の117を上回る128の露店が並び、日中から子どもをはじめどっと市民が繰り出した。
まず踊ったのは横町万灯組だ。午後3時過ぎ、日本舞踊花柳流の名取、東太田の花柳徳紀女さん(73)と花柳紀女千代さん(40)の家の前に若連中ら百数十人が集まった。「木遣り音頭」に続き、「伊勢音頭」を小学生の踊り子12人が笛や太鼓のはやし方にあわせて踊った。
徳紀女さんが名取になってから50年以上になるが、その間ずっと横町万灯組の踊りを指導している。徳紀女さんの親はもちろん代々、指導を続けていることから、その礼にと横町万灯組の踊りは最初に徳紀女さんの前で披露してからが恒例だ。
喜んで踊りのけいこに来る子どもたちに「やっぱり踊りが好きなんですよね」と徳紀女さん。踊り子になれるのは小学生からなので、「1年生になるのを待ってると言う人もいます」と言い、子どもたちの踊りに目を細めていた。
一方、木場小路万灯組は午後4時半から戸隠神社裏手の「宿」と呼ぶ集会所で下座を行ってスタートした。こちらは踊り子は12人編成で踊り子を「お玉」と呼ぶ。お玉は前夜まで宿でけいこを続けてきた。練習通りに「伊勢音頭」を披露すると、手分けして氏子町内を門付けに回った。
万灯は山車のてっぺんから色紙を取り付けた数十本のタケ棒を垂れ下がる。その上に、はやし方と男の子が扇子を手に踊る「ひょっとこ」が乗り、若連中が町内を引いて回る。宵宮のハイライトは、8時から木場小路万灯組、9時から横町万灯組の戸隠神社参拝だ。
万灯を戸隠神社の正面につけ、戸隠神社拝殿で参拝、神官のおはらいを受けたあと奉納。踊り子が参道に一列に並んで下座を披露した。踊りの回りをぐるりと見物客が囲んだ。ときにあでやかさも感じさせる踊りに、見物客は「かわいーねー!」。携帯電話やスマホで静止画や動画を撮ったりと忙しかった。
20日は午前8時から氏子町内各戸はらいに始まり、9時から上横町獅子神楽が戸隠神社を参拝、奉納したあと、9時15分から木場小路万灯組、10時半から横町万灯が参拝、奉納。午後6時から宮神輿が同神社を発進、氏子町内を巡行。8時から木場小路万灯組、8時半から横町万灯組が舞い込み。9時に神輿が還御して祭礼を終わる。20日の奉納行事運行表は次の通り。
20日(日)例大祭 | |||
9時15分 | 木場小路萬燈組 | 戸隠神社境内 | 下座 |
10時30分 | 横町萬燈組 | 戸隠神社境内 | 下座 |
15時00分 | 木場小路萬燈組 | 戸隠神社前 | 下座 |
15時30分 | 横町萬燈組 | 戸隠神社前 | 下座 |
18時00分 | 神輿行列 | 戸隠神社 | 出発 |
17時15分 | 木場小路萬燈組 | 燕駅前 | 下座 |
18時40分 | 神輿行列 | 戸隠神社前 | 通過 |
18時40分 | 木場小路萬燈組 | 宮町入口交差点 | 下座 |
19時10分 | 木場小路萬燈組 | 戸隠神社前 | 下座 |
20時00分 | 横町萬燈組 | 宮町入口交差点 | 下座 |
20時00分 | 木場小路萬燈組 | 戸隠神社境内 | 舞い込み |
20時30分 | 横町萬燈組 | 戸隠神社境内 | 舞い込み |
21時00分 | 神輿行列 | 戸隠神社境内 | 舞い込み |