震災がれきの受け入れを共同で表明する県内5市の搬出元候補地は岩手県大槌町 (2012.5.22)

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震災がれきの受け入れを共同で発表している新潟、長岡、三条、柏崎、新発田の県内5市は22日、環境省からの連絡でがれきの搬出元の候補地が岩手県大槌町になったと発表した。

3月31日に三条市で行われた震災がれき受け入れの5市による共同記者会見のようす
3月31日に三条市で行われた震災がれき受け入れの5市による共同記者会見のようす

今後、岩手県と大槌町と受け入れに向けて調整していく。昨年12月に行われた静岡県と岩手県の共同調査では、大槌町の木質系廃棄物の放射性セシウム濃度は、セシウム134とセシウム157とも検出下限値の2ベクレル/kgの不検出で、5市の受け入れ基準100ベクレル/kgを満たしている。安全性に問題はないととらえているが、今後もあらためて検査を行っていく。

環境省などとは調整しながら受け入れの準備を進めているが、今後の試験焼却で放射線量測定などに関する技術的、人的支援も調整していく。

同時に三条市独自でも震災廃棄物の受け入れについて発表した。このなかで三条市は、三条市の焼却灰からも12ベクレル/kgから84ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されており、説明会でも不安が寄せられていることから、国の基準に基づく対応策のほかにセシウム吸着ネットなどを設置する独自の対応を行う。

三条市の技術アドバイザーに就任してもらう独協医科大の木村准教授
三条市の技術アドバイザーに就任してもらう独協医科大の木村准教授

さらに放射能に関する技術的な指導を仰ぐため、独協医科大学の木村真三准教授から三条市の技術アドバイザーに就任してもらう。三条市は、がれき受け入れに向けて5月4日から8回にわたる市民学習会「放射能と私たちのくらし」を開いており、木村准教授はその1回目と2回目の講師を務めた。

試験焼却による安全生確認のため、環境省などの指導で試験焼却前と試験焼却中の放射性セシウム濃度などを測定する。測定は専門機関に委託する。また、そのデータを公表し、安全性について市民からも確認してもらう。測定は破砕ピツトごみ、飛灰、スラグ、余剰砂、資源物、周辺土壌、排ガス、敷地境界空間線量などを測定する。

大槌町は釜石市の北側に隣接、太平洋に面し、人口1万3,173人(4月30日現在)。東日本大震災による津波と火災で壊滅的な被害を受けた。3月13日の消防庁のまとめで死者803人、行方不明者479人にのぼり、合わせると岩手県内では陸前高田市に次ぐ数となっている。当時の加藤宏暉町長をはじめ、数十人の職員が津波の犠牲となり、行政機能が麻痺した。

福島第一原子力発電所からの大槌町までの直線距離は約230キロ。三条市のそれは約180キロなので、三条市よりも福島第一原子力発電所から離れている。

岩手県大槌町の場所
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