燕市産業史料館が11日から27日まで開いてる「やかん展」は、そのネーミングのおもしろさもあって好評。その勢いを借りて今度は「やかん」にかけて25日、1日限りの夜間開館を行う。あわせて先にテレビ番組でユリ・ゲラーさんとの対戦に勝利したスプーンを製造する山崎金属工業=山崎悦次社長・燕市大曲=の工場長、山崎修司さん(38)の対談会も開き、スプーン曲げの挑戦者も募るので、時間的にふだんは同史料館を利用しにくい人にもこの機会に来館をと呼びかけている。
ふだんは午後4時半の閉館だが、この日は午後9時まで開館する。午後6時半から展示室でやかん展解説会を開き、同史料館の斉藤優介学芸員が「やかんを10倍楽しむ方法」をテーマに解説したあと、7時半から多目的ホールで対談会を開く。テーマは「魂のスプーン職人 世界一のスプーンを語る!」。
4月29日放送のフジテレビ系の人気番組「ほこ×たて」で、「【絶対に曲がらないスプーン】VS【ユリ・ゲラー】」をテーマに超能力者ユリ・ゲラーさんが山崎金属工業のスプーン「コブラ」を使ったスプーン曲げに挑戦した。ユリ・ゲラーさんは曲げることができず、「初めて曲げることができなかったスプーン」と負けを認めた。
工場長の山崎さんは、テレビ局に「コブラ」を持参して番組にも出演した。番組の収録のようすや「コブラ」の開発、番組放送後の反響などについて斉藤学芸員と対談形式で話す。
さらに8時10分から来場者に世界最強スプーン「コブラ」に挑戦してもらうアトラクションも。もちろん怪力ではなく超能力で「コブラ」を曲げる挑戦者を募集している。曲げることができたならユリ・ゲラーさんを超えることになり、「われこそは」という人を待っている。
同史料館では、12日からユリ・ゲラーさんが曲げられなかったスプーンとあわせて、山崎さんがユリ・ゲラーさんから譲り受けた、ユリ・ゲラーさんがマイケル・ジャクソンの前で曲げたスプーンと、ユリ・ゲラーさんが曲げたイギリスのチャーチルが使用していたというスプーンも展示している。
同史料館では、この「ユリ・ゲラーに勝った」スプーンの展示を始めたおかげで、新しい層の来館が増えていると言う。このスプーンの隣りに展示してあるのは、2009年公開の映画『曲がれ!スプーン』のPRに使われた主演の長澤まさみさんのサイン入りスプーンベンチ。翌10年に同史料館が寄付を受けたもので、今回の「コブラ」はそれ以来のキャッチーな展示物だ。
また、『曲がれ!スプーン』の原作は舞台劇で、そのタイトルが『冬のユリゲラー』。期せずしてユリ・ゲラーさんにちなんだ展示物が同史料館に並んだ。
同史料館の夜間開館は、昨年8月に金属洋食器製造100周年「エコ&ナイトミュージアム」で行って以来2回目。この機会にふだんは仕事や学校で同史料館の利用が難しい人にも来館を呼びかけている。入館料はおとな300円、子ども100円。問い合わせは同史料館(電話:0256-63-7666)へ。