燕署(中村栄署長)は22日、燕市内で側溝に転落していた男性を発見、救助した燕市内の2人に感謝状を贈り、迅速で的確な救命措置を講じて人命を救助した功労をたたえた。
感謝状を受けたのは、燕市一ノ山、会社員矢部芳文さん(41)と燕市分水桜町、看護師梅沢祐子さん(53)。5月3日午後3時半ころ、道路わきの側溝に誤って転落した71歳の男性を矢部さんが発見し、通りかかった梅沢さん夫婦らとともに助け上げ、応急手当てをした。
矢部さんは自宅近くでうめき声に気づいた。側溝は幅約70センチ。男性は水深約70センチの水面に鼻と口だけが出ている状態だった。
矢部さんはすぐに側溝に入り、男性の上半身を抱きかかえるようにして起こしたが、ひとりでは引き上げることができず、男性を抱えながら道路を通る人に手を振って助けを求めた。車で通りかかった梅沢さん夫婦がそれに気づき、梅沢さんが救急車を携帯電話で呼び、その間に梅沢さんの夫と矢部さんとで男性を引き上げた。
男性は額がぱっくりと切れているなどけがをしており、救急車到着まで、タオルで止血したり、ぬれた体をバスタオルで包むなどした。
中村署長は、「とっさの判断と行動が人命救助につながった。深く感謝しています」と話していた。矢部さんはホンダ四輪販売長岡に勤務し、会社の関係で普通救急講習受講しており、事故現場に出向くことも。梅沢さんは、燕労災病院に勤務している現役の看護師。2人とも感謝状の贈呈には、「当然のことで恐縮している」と話し、「まずは人命、一刻も早くと言う気持ちだった」と話した。