燕市は東京ヤクルトスワローズとの交流拠点として同市東太田、JA越後中央燕支店前に農業体験田「スワローズ・ライスファーム」を開園。26日はスワローズのマスコットキャラクターつば九郎も来燕して田植えを行い、首都圏から日帰りバスツアーで58人が参加して青空の下、田植えを満喫した。
バスツアーの名称は「つば九郎といこう!ロハスな田植え体験とのんびり温泉てまりの湯」で、旅行代金は8,980円。東京・新宿駅発着で観光バス2台に分乗して燕市を訪れ、田植え後は燕市温泉保養センター「てまり湯」に入り、アウトレットストア「ストックバスターズ」で買い物した。
参加したのはほとんどが女性で、スワローズファンという以上につば九郎ファン。JA越後中央燕支店に到着して間もなく、つば九郎が登場すると歓声を上げてつば九郎を取り囲んだ。あわせて新潟県観光キャンペーンのキャラクター、レルヒさんも登場。つば九郎ファンの眼中にはなく、全国ゆるキャラグランプリ10位のレルヒさんの人気もここでは形無しだった。
参加者は、ツアー専用の「燕市×つば九郎コラボTシャツ」を着ていた。球団関係者は「“ツバメ”が縁で燕市と連携してまいりました。田植えを通じて皆さんとふれあってまいりたい」とあいさつ。さっそく田植えに移り、この日の朝に田んぼアートの田植えにも参加した鈴木力市長も再び田植えに参加したほか、地元の人や県内のスワローズファンなど数十人も参加した。
つば九郎ファンは、写真を撮ったりつば九郎にサインしてもらったりと、つば九郎との交流に夢中で、なかなか田植えの気分にならなかったが、意を決してはだしで田んぼに入ると、今までにない感触。初夏を思わせる陽気にひんやりした田んぼの泥が心地良く、「気持ちいい!」、「すっごく楽しい!」と子どものようにはしゃいだ。
子どもたちも最初は恐る恐る田んぼに足を入れたが、すぐに慣れてせっかく田植えしたあとから田んぼの中を走ったり、転んだりして泥だらけになり、田植え後ははだかになって体を洗うようすに、関係者は「いつの時代も子どもは子どもだね」と子どもの本能を引き出す自然の力に感心し、目を細めていた。
このあとはJA越後中央燕支店で昼食。弁当は燕市農村生活アドバイザー連絡会(小杉愛会長)の地元の主婦十数人が、地元野菜を厳選して調理した特製「つば九郎弁当」を用意した。燕産のヒレ肉を使った「ひれかつトマトソース添え」に家庭料理の「干しかぶの煮物」、燕市の産みたてタマゴを使った「卵焼き」、コシヒカリを使った「米粉のブラマンジェ」と“燕”にこだわった。
つば九郎の写真を使ったパッケージも手作り感が楽しく、「すごくない?、このお弁当」とつば九郎ファン。ご飯はもちろん昨年秋の収穫の「つば九郎米」に具だくさん田舎汁。お代わりする人も多かった。
さらに昼食では、参加者全員につば九郎グッズのプレゼントのセットが配られたうえに、家庭用精米器などが当たる抽選会まであり、まるでつば九郎とファンの集い。このあとも温泉にショッピングも付いた日帰り旅行が1万円足らずとあって、つば九郎ファンには大満足のツアーだった。
中学生のころからスワローズやつば九郎のファンの星嘉恵さん=東京都江戸川区=は、スワローズのホームゲームはすべて見に行く熱烈なファン。「田植えは初めてでしたけど、長ぐつもいらなくてはだしで入って気持ち良かったです」。
星さんとはファン仲間の大鋸友紀さん(23)=神奈川県茅ヶ崎市=は、昨年10月に燕市が表参道・新潟館ネスパスで行った「つば九郎米」の先行販売キャンペーンで初めてつば九郎と出会い、一目ぼれ。以来、つば九郎ファンに。初めての田植えに「本当に楽しくていい経験をさせてもらいました」。2人とも秋に行われる収穫ツアーにも参加する予定だ。