燕市は、国民健康保険の医療費を削減し、保険税の無駄をなくすためジェネリック医薬品(後発医薬品)の差額通知の発送を開始した。県内の市町村の国保では、差額通知の発送は初めて。
差額通知は、被保険者証を送付する5月、7月、9月、11月にそれぞれ同封して通知する。差額は今、使用指定している薬(先発医薬品)を最も高いジェネリック医薬品に切り替えた場合にいくら安くなるかを具体的に1カ月当たりの金額にして表記する。
通知の対象は被保険者全員ではなく、高脂血症や高血圧症、糖尿病といった生活習慣病や慢性疾患などで長期的な服用が必要な人。毎回、被保険者証発送の3カ月前のレセプト(診療報酬明細書)から削減の効果の大きい1,500人ていどを対象に差額通知を同封して発送する。5月の送付先は、2月分のレセプトから差額が300円以上になる1,642人に5月23日、送付した。
社会保険では、ジェネリック医薬品の差額通知は3年前にスタートしている。国民健康保険の差額通知は県単位の共同事業でも近く始まるが、それを待っているとそれだけジェネリック医薬品への移行が遅れて保険税が無駄になるため、市の単独事業として県内で初めてスタートする。
郵送料以外は国の交付金を受ける。差額通知する分がすべてジェネリック医薬品に切り替われば年間約700万円の削減になる。
ほかにもジェネリック医薬品使用促進事業として、ことし4月から老人団体や婦人団体、民生委員などを対象にこれまで18件、ジェネリック医薬品使用促進の出前講座を行った。7月から被保険者証の送付にあわせてジェネリック医薬品「希望カード付き保険証ケース」を市単独事業として被保険者全員に配布する。さらにイベントでのPR、普及ミニポスターの掲示、広報紙やホームページの掲載などに取り組んでいる。