ワーナー・マイカル・シネマズ県央=燕市井土巻3=で2日、燕市のご当地映画『アノソラノアオ』の上映が始まり、初回上映に後に舞台あいさつが行われた。22日までの公開予定。
舞台あいさつを行ったのは、主演の中山麻聖さんと友人役の八神蓮さん、地元キャストでヒロインの納谷美咲さんと新潟の劇団カタコンベの牧田夏姫さん、それにナシモトタオ監督、映画制作を支援した「はばたけ燕実行委員会」の会長、細川哲夫燕商工会議所副会頭。さらに来場した約120人と一緒に映画を鑑賞した鈴木力燕市長もスペシャルゲストとしてあいさつした。
鈴木市長はノリノリ。「吉田の香林堂を出発して燕の工場を通って、なんで分水に行くんだろうかというふうに見られた人はきっと燕の人間」、鈴木市長も課長役で出演しており、そのシーンが「映ってなかったらそのまま帰ろうと思ってた」と笑わせ、この夏の節電のためにも、家でクーラーをつけずに同劇場へ足を運んで涼みながら映画を見てほしいと話し、中山さんには「ユリ・ゲラーに勝ったスプーンもあるんで、挑戦していってください」と水を向けた。
関係者試写会に続いてこの日で2回目の鑑賞だった鈴木市長は、ナシモト監督に「こちらの頭をフル稼働させる映画」で、ロバート・デニーロ主演の『タクシー・ドライバー』と、江藤潤と朝加真由美の『純』の2作品を思い出したと言い、ラストの食用菊の花びらを摘む作業の長回しで、ビールをこぼすシーンが演技かどうか確認するなど、映画に強いところも。
そして「どんどん皆さん、宣伝していただいて、応援していただきたい」、「皆さんがいっぱい応援してくださると、ことしの日本アカデミー賞は中山さんが主演男優賞、納谷さんが新人賞をとってくれると思います」と会場と出演者もわかせた。
中山さんは5月26日行われた先行上映に続いての舞台あいさつ。撮影を通じて洋食器ブランド「ラッキーウッド」の小林工業が燕市にあることを知り、「ほかの県が知らないことが新潟にはたくさんあることがこの映画を見るとすごく伝わる」と魅力を話した。
作品を楽しむいくつかのポイントがあり、姉がどこへ行ったのか、最後に父が8ミリフィルムを見るときに映っている男性は誰なのか、その答えは作品のなかに隠されていることを紹介。それを知れば「もっともっとよりこの映画の深い所を知ることができると思うので、ぜひ何度でも見ていただければ」と繰り返し来場を求めた。
愛知県出身の八神さんは、新潟のイメージは「お米がたくさん生えているところ」と天然ぶりを発揮。昨年の燕市・吉田天満宮のまつりで露店の型抜きに初めて挑戦し、「あんな子どもが初めてスタートするギャンブルがあるんだと知った」。「たれカツを食べ、油麺ですか、新潟ラーメンですか?…あっ、背脂ラーメンをひとりで食べて」と思い出を話した。
溶接の仕事に就いた経験のある納谷さんは映画のなかでも溶接作業を行い、「これを見て溶接をしたくなった人がいると思うんですけど」と笑わせ、牧田さんは三条出身なので地元で「自分が出演している映画が公開されるということで、すごくうれしく思ってます」。細川副会頭は地域からの情報発信が盛んに言われている時期に地元をふんだんに紹介する映画ができたのは「非常に良い作品だったと思っております」、ナシモト監督は「30代、40代、50代の人たちの話をやっぱりこの地で撮っていけたらいいなと思います」と話した。