三条・燕・加茂地区高等学校校長会(会長・平沢秀昭三条高校校長)は4日、巻公共職業安定所管内の燕商工会議所をはじめ商工会、業界団体を訪れて高校の新卒求人申し込みと採用枠の拡大を要請した。
燕商工会議所には午前11時に三条、吉田、分水、三条商、新潟県央工の5高校の校長と巻公共職業安定所の飯田薫所長、燕市の遠藤一真商工振興課課長補佐が訪れ、会長の平沢三条高校校長から山崎悦次会頭に要請書を手渡した。
要請書は校長会会長と鈴木力燕市長、飯田巻公共職業安定所所長の連名。同職安管内の東日本大震災以降、有効求人倍率が低下したが、6月の0.42倍を底に上昇し、ことし3月には0.65倍に改善したが、以前として低い水準にとどまり、景気も不透明感が漂っているとする。
6月20日から平成25年3月新卒者を対象とした求人受け付けが始まるが、新卒者求人も厳しい状況が懸念される。希望者全員の就職実現を目標に連携し、新卒者が第一次応募先を決める8月上旬に間に合うよう、求人の早期確保と採用数の量的確保を差し迫った課題して取り組むなか、同商議所会員企業に求人早期申し込みと採用枠の拡大を求める周知と働きかけに協力を求めている。
山崎会頭は、毎月発行の「つばめ会議所ニュース」で要請があったことをPRしていることを紹介。一方で為替の状況が厳しい状態が続いている。自身が評議員を務める新潟国際情報大学の志願者も減っている。長岡技術科学大学や新潟大学で博士号を取っても就職できず、採用してもらうために企業で6カ月、無給で働くような状況もあるとっいた現状を話した。
飯田所長は5月現在で巻公共職業安定所管内の来年3月の高校新卒予定者の就職希望者が昨年同期の189人より13%余り多い214人となっているため、求人を心配しており、求人確保を求めた。
新潟県央工業高校の笹川民雄校長は、就職希望が昨年度は82人、今年度は101人と増えており、就職先は「製造業がほとんどですのでよろしくお願いしたい」、分水高校の青山一春校長は、15人が就職を希望しており、「まじめでいい子なんで(企業で)育てやすい」。吉田高校の後藤敏数校長は昨年度は百パーセント就職できたが、ことしは74人が希望しており、ことしは空手で男女ともインターハイ出場を決めたことなど、それぞれに学校をアピールした。
景気低迷が続き、求人環境が厳しいなか、高校でまとまって地元産業界に新卒採用を求めようと数年前から毎年、要請を行っている。この日はこのあと、日本金属ハウスウエア工業組合、日本金属洋食器工業組合、吉田商工会、弥彦村商工会を訪れて同様に要請した。