国定勇人三条市長は4日、6月定例会提出議案概要説明に伴う臨時記者会見を行い、6月補正予算で震災廃棄物の広域受け入れに関連して試験焼却などの予算を計上したことなどを話した。
事業内容は、東日本大震災の災害廃棄物の試験焼却や、市民の安全と安心を確保するため、最終処分場の放射線対策工事で、災害廃棄物の搬出元は、先に発表している岩手県大槌町。
計上した補正予算は、7月1日供用開始の清掃センターでの放射線等検査委託料や測定器なを含む清掃センター費625万5,000円、放射線セシウムの吸着ネット設置の工事など最終処分場費2,141万2,000円、鉄道コンテナでの運搬を想定した廃棄物運搬委託料や放射線等検査委託料などのごみ対策事業費297万4,000円。
国定市長は、三条市のごみ焼却施設から放射線セシウムは今も検出されているが、震災廃棄物を受け入れるかどうかにかかわらず、別の問題として不安を取り除かなければならないという観点から必要な対策として、最終処分場の埋め立てるところと放流水の貯水槽に吸着ネットを設置するなどの予算を計上した。
5月30日に34ベクレル/kgの放射線セシウムが計測されているが、震災廃棄物の受け入れとは別にしても地元住民への説明会では住民の不安を知ったとして、「不安を払しょくするには安心になっていただかなければならない」、「本来であれば必要ないところだが、二重三重の網をかけることによって安心をいただくためのところにつながる」。
震災廃棄物でなくとも、三条市はすでに一般廃棄物として処理しており、「これをやらないと安全にならないのではなくて、安全なんだけど、さらなる安心をしていただくための措置」として対策をとっていくとした。
セシウムの吸着ネット設置のほか、放射能に関する三条市の技術アドバイザーとして木村獨協医科大学准教授に就任してもらうことなど、5月22日に発表した対応が含まれる。
試験焼却は、不安を取り除くための最大の取り組みと考え、さまざまな取り組みの一つの過程で、生のデータをしっかりと公開すると話した。
試験焼却のスケジュールについての質問に、まずは6月議会での予算の議決で、議決を得たとしても、不安払しょくのための試験焼却をする前の状況などのデータが必要であり、7月1日の新焼却炉の供用開始とともに行うことは思っていないとし、具体的な日程の明言はなかった。
運搬費用などの予算について、今後、詳細を詰めていくためその数字については「マックスだと思ってください」としたうえで、試験焼却の量と回数については、新施設の余裕量は10トン/日なので、10トンを3回、計30トン分の予算とした。
また、会見では、松永悦男教育長辞任により不在となっている三条市教育委員会の教育長人事についての質問には、「できるだけ早くと思っていますが、今の段階で明らかにできる状況ではない」と話した。