燕市教育委員会では7月6日から22日まで燕市産業史料館で開く「つばめっ子かるた原画展『黒井 健が描いたつばめ』」のポスターを配布しているが、ご当地かるた「つばめっ子かるた」の絵札1枚を使ったポスターのデザインが好評だ。
ポスターはB2判で、「つばめっ子かるた」の絵札44枚のうち、燕市総合文化センター駐車場に立つ旧配水塔、通称「水道の塔」を描いた作品を使った。かるたの「ゆ」の取り札で、水道の塔が赤味を帯び始めた空を背に立ち、その手前のイヌが背中を向けて水道の塔を見上げる。読み句は「夕陽あび 歴史をみせる 配水塔」。
原画を描いた新潟市出身の絵本作家、黒井健さんは、先に開かれたギャラリートークでこの作品について、水道の塔だけではもの足りず、犬を描き加えたが、犬が小さければ目立たず、逆に大き過ぎると水道の塔が小さく見えるため、ちょうどいい大きさになるように工夫したと話していた。
水道の塔は昨年11月5日からことし3月15日まで改修工事が行われた。それに伴って水道の塔の外壁をはっていたツタは撤去されたが、絵札にはツタがあり、緑の葉が茂る。水道の塔の奥に見える家々はどこか懐かしい雰囲気だ。
やわらかな風合い作品に加えて犬の背中が何とも愛らしく、郷愁を感じさせ、センチメンタルな気分にもさせてくれる作品。ポスターを届ける先々で好評なのもうなづける。ポスターは600枚を作成し、市内の公共施設や自治会長などに配布している。
「つばめっ子かるた」は、2006年に合併して新たに生まれた燕市の一体化を図る「燕ひとつプロジェクト」の一環で生まれた。市民から読み句を募集し、文芸つばめ編集委員が監修。『ころわん』や『ごんぎつね』で知られる絵本作家、黒井さんが昨年秋に数日間、燕市に取材して原画を描き、地元燕市の書家の長谷川白楊さんから読み札を書いてもらって今春、完成した。
ことし3月21日にも「つばめっ子かるた」の完成お披露目会や原画・原書展示会、黒井さんのギャラリートークなどが行われた。それ以来の原画展となる。「つばめっ子かるた」は1,000円で燕市の中央、吉田、分水の各公民館と長善館史料館、分水良寛史料館、産業史料館で有償頒布している。