県立分水高校カヌー部出身でパール金属(株)=三条市五明=社員の本田圭さん(22)=燕市=が、6月27日からフランス・ラ・プラーニュで開催される2012カヌーワイルドウォーター世界選手権に初出場することが決定。13日に同社で開かれた記者会見で「応援してくださる方々に感謝の気持ちを持ち、力の限り競技してきたい」と抱負を話した。
本田さんは、分水高校でカヌー部に入部、2年生から新潟国体の育成選手としてワイルドウォーター競技を始めた。卒業後も同競技を続けるための理解を示してくれた、カヌー事業部のあるパール金属に入社。社会人2年目の2009年に三条市の五十嵐川を会場に行われた「ときめき新潟国体」のワイルドウォーターカヤックシングル1500m種目で新潟県勢初の3位入賞を果たした。
翌年2010年には、日本カヌー ワイルドウォーター選手権大会スプリント種目準優勝、千葉国体スプリント種目3位、2011年山口国体クラシック種目6位、スプリント種目6位などの実績を積み、ことし5月12日に岡山県で行われた2012ジャパンカップカヌーワイルドウォータージャパンカップ第1戦で4位の成績をおさめ強化指定選手となっていた。
2012世界選手権大会には、本田さんを含む女子選手3人と男子選手2人の計5人が日本代表として出場、22歳の本田さんは最年少だ。
午後2時からの記者会見では、高波久雄社長、高波文雄副社長とともに本田さんが会見にのぞみ、初の海外遠征への抱負などを話した。
会場は、日本の川と比べるとかなりレベルの高いコースで「精一杯、漕ぎ抜いていきたい」、「初の国際大会で、不安な部分もありますが、メンタル面や技術面の両面で自分自身の向上につながる貴重な経験になると期待しています」と話し、世界の強豪のなかで、自分自身の実力でどれだけできるのか楽しみにしていると、身長153センチの小柄で優しい笑顔の裏にパワーがあふれる。
また、同大会への出場が決まってから、家族をはじめ職場からも頑張ってと声をかけてくれ、遠征期間中の仕事を「あなたの分まで働くから、頑張ってきて」と言われたと話し、「理解してくれる人がいるから続けていられる」。「家族をはじめ応援してくださる多くの方々に感謝の気持ちをもって、力の限り競技してきたいと思っています」。
高波社長は、本田さんの世界選手権大会出場に「会社にとっても大変名誉なことで、社員全員で応援したい」と話していた。
カヌー競技には、回転競技の「スラローム」と「ワイルドウォーター」があり、本田さんが出場する「ワイルドウォーター」は、流れの激しい川を一気に漕ぎ下る競技で、川の一番速い流れをつかみ乗り続けられるかがポイントで、順位は所要タイムで決定される。
急な流れを下る競技で、選手人口は少ないという。本田さん自身も、競技を続けていくにつれて挑戦のレベルも上がり、レベルの高い川では、「緊張と恐怖心で手足が震えることもある」。それでも、ときめき新潟国体で3位入賞の結果をだしたときに「勝つ快感を覚えて、やめられない」と話していた。
本田さんの通常の練習は、平日2回と土、日曜など大河津分水路の上流で分水高校のカヌー部の後輩とともに練習をしたり、県外での練習を行っている。世界選手権大会に向けては、6月21日にカヌーを積んで自家用車で名古屋空港に向けて出発。日本代表選手とともに翌22日の午前中の便でドイツ・フランクフルトに向けて発ち、23日から26日まで公式練習。27日から7月1日までの世界選手権大会に出場し、2日に帰国する。