燕三条青年会議所のOB有志などでつくる「寺子屋つばさ実行委員会」=高橋克典代表=は17日、三条市グリーンスポーツセンターで第5回食育学校「はらぺこ塾」を開き、小学1年から3年生までの50人が空腹を体験し、食べることの大切さなどを学んだ。
「はらぺこ塾」は燕三条青年会議所が取り組んだ「寺子屋つばさ事業」の一環で行ったを事業。「地域の子どもは地域で育てる」を主眼に2009年に発足した同会がが引き継いで行っており、今回で5回目となった。
空腹を体験することで食べ物のありがたみ、用意してくれる人への感謝の気持ち、食べるということの大切さを学んでもらうことがねらい。これまでは年に1回、小学4年生以上を対象に1泊2日で行ってきた。ことしも9月に行う計画だが、今回は初めて3年生以下の小学生を対象に行い、午前9時半から午後6時までの日帰りコースを設定した。
参加したのは三条市と燕市の50人の小学生。子どもたちのリーダーとなり会員とともに同塾をサポートする加茂市・新潟経営大学の学生21人も参加した。
全員が朝食を食べずに参加し、昼食はピンポン玉くらいの塩おにぎり1個だけで空腹を体験。食べて命をつないでいくことや栄養などの食育講座の受講、食事作り体験やレクリエーションなどを行った。
食事作りは、夕食用のパン作りを体験。小麦粉からこねてしばらく発酵させ、クルミ、ゴマ、レーズンをトッピングして、ダッチオーブンで焼きあげた。途中、体を動かすレクリエーションなどをはさんでの食事作りで、パンを形づくる仕上げのときには「おなかへった人?」の問いに、ほとんどが「は〜い」と手を上げ、トッピング用のゴマをこっそりと口に入れる子どもたちもいた。
屋外の釜場でダッチオーブンに豆炭を乗せて焼き、香ばしいにおいがしたころ、ダッチオーブンの中を見せてもらい、「お〜、いいにおいがする、あと何分くらい?」と待ちきれない様子だった。
午後5時ころ、自分の手のひらより1回りくらい小さなパンが焼き上がり、全員で夕食。「いただきま〜す」のあとはほとんど無言で、全員がペロリと完食。2年生の男の子も食べ終わってようやく「あ〜、おしかった。はらぺこちっくだったよ」とおなかをポンポンとたたいてにっこり。言葉では表現できないながらも食べられるありがたさをしっかりと感じていたようだ。