梅雨の出水期を迎え、一級河川貝喰川が信濃川に流れ込む河口部分の三条市大野畑、島田3地内で、貝喰川の水を信濃川に排水するため、県が建設している排水機場の排水ポンプと排水管の設置が一部完了したことから15日、試運転を行って一部を運転可能にした。
2004年の7・13水害以後、三条大橋から下流側の貝喰川河口には、逆流防止樋門が設置された。この樋門は貝喰川より信濃川の水位が高くなったとき、ゲートを閉めて信濃川から貝喰川への水の逆流を防ぐ。
これで逆流を防ぐことはできても、ゲートを閉めれば貝喰川の水は行き場を失って水位が上がり、貝喰川の水があふれる恐れが高まる。そのため、貝喰川沿線住民や市は、河川管理者の県に対し、貝喰川の水をくみ上げて信濃川に排水するポンプアップを要望し、その工事が行われている。このほど、ポンプの設置が一部完了したことから、いつでも稼働できるようにと15日、試運転した。
設置したのは救急排水ポンプ3台で、計画吐き出し量は1台につき毎秒1トン。試運転では、ポンプで吸い上げられた貝喰川の水が、口径500ミリの鋼管3本を通って信濃川に勢いよく放流された。
試運転の様子を見に来る近所の人もいた。島田3に住む人は、2004年の7・13水害で被害を受け、昨年の7・29豪雨災害でも29日に車庫が浸水し、いったん水が引いたので掃除をしたところ、翌30日に再び浸水。2日連続で水があがったと話していた。
また、試運転のようすに、ポンプが「3台じゃあ、まだ足りない」と不安げに話す人も。県では今シーズンには間に合わないがポンプ2台の増設もすでに検討している。