東日本大震災のがれきの受け入れを表明している三条市の焼却処理施設の地元、三条市福島新田甲自治会(山岸康男自治会長)は27日夜開いた総会で、同施設でのがれき焼却は「受け入れがたい」とし、試験焼却にも反対する考えをまとめた。
午後7時半から福島集会所で開いた総会には、同自治会209世帯から40人が参加。報道各社が取材に訪れたが、非公開で総会の総会後、山岸自治会長が取材に答えた。
同自治会では、がれき受け入れの件で自治会役員や農業組合員で「対策委員会」を組織。総会に先立って25日に同委員会で全会一致で「受け入れがたい」とする意見をまとめ、総会では同委員会の意見を示して協議した。
参加者からは、風評被害や子や孫の健康を心配する意見や、市長や議会が決めたことをやめさせることができるのかなどの意見があったが、受け入れに賛成する意見はなく、「受け入れがたい」を全会一致の意見とし、29日に市長宛に受け入れ反対の意見を記した文書を市役所に持参することにした。
反対の理由について山岸自治会長は、市は1キログラム当たり100ベクレル以下の放射性物質は安全と言うが、知事は受け入れを認めず、学者の意見も賛否が分かれていることをあげた。22日開かれた市の住民説明会では、バグフィルターは「100%放射能を除去できる保障はない」、焼却灰を埋め立る最終処分場に設置する吸着ネットは「全国最初で、これがうまくいけば広める」という、結果がわからないという説明だったことを指摘した。
山岸自治会長らは「実験材料モルモットでない」と言い、札幌市長の「絶対安全だという確信がなければやらない」という発言を紹介。三条市は絶対安全だと言わず、やってみなければわからないという状況では受け入れることはできないし、市長への文書は受け入れに反対の内容「やめてほしい」とした。
今後の対応については、29日に市長に意見を伝え、市の回答がどのように返ってくるかを受けて検討するとした。