燕市宮町、戸隠神社(星野和彦宮司)は30日午後7時半から夏越(なごし)の大はらえを行う。東日本大震災を契機に、昨年に続いて祈りによる国家の再生「絆」をテーマとして茅の輪(ちのわ)くぐりや神事とあわせて、市内3団体が太鼓や神楽舞を奉納する。
参加団体は都合で昨年より1団体減るが、飛燕太鼓保存会が太鼓、小池諏訪神社祭礼協賛会と燕御神楽神伶会が神楽を奉納。続いて星野宮司を先頭に参拝者が続いて茅の輪をくぐる。
茅の輪は茅草(チガヤ)で円になるように編んだもの。27日、境内の鳥居の下に直径約2メートルの茅の輪を設置した。「∞」を描くように輪の中を左回り、右回り、左回りと3回くぐってけがれをはらう。続いて神事を行い、参拝者に御幣(ごへい)を付けた茅草を一本ずつ配布する。
昨年の東日本大震災、それに伴う大津波について星野宮司は「人間としてのおごりから神さまの怒りを買ったんだろう、われわれは神さまにおわびをしなければいけない、生活をあらためなければいけない」という立場。その思いを受けて同神社の祭礼に関係する団体から奉納をしたいとの話があり、昨年の夏越の大はらえで初めて奉納行事を組み合わせた。
「震災からの復旧、復興、一日も早い原発事故の収束を祈願し、原発の問題にめどがつくまで続けようとなりました」と星野宮司は話し、その祈りを被災地へ届けるためにも広く参拝を呼びかけている。
大はらえは6月と12月のみそかに行われる除災行事で、12月の年越しのはらえは一般的だが、それと比べると6月の夏越のはらえはあまり知られていない。夏越の大はらえで多くの神社が茅の輪くぐりを行っており、同神社でも30年近く前から行っている。