田上町羽生田、土生田(はにゅうだ)神社(高橋勝之宮司)で6月30日、夏越(なごし)のはらえと茅の輪くぐりにあわせて夏越会(なごしかい)による奉納行事が行われた。
同神社は創建から約1,300年と伝わり、歴史の古い式内社。「子どもが遊んでいた昔の神社を取り戻したい」という高橋宮司の呼びかけに応え、地元有志約20人が会員となって夏越会を発足。今回初めて茅の輪を設置し、奉納行事を行った。
境内の参道の両わきにタケ灯ろうをともし、直径約2メートルの茅の輪を設置。その前で高橋宮司が大はらえ式を行って始まった。皮切りは「書」の奉納式。このころには100人近くが集まり、田上町に住む書アーティスト、あおのよしこさんが拝殿の正面に立てた1畳分の大きな紙に、輝く未来が訪れるようにと大筆で「輝」の一字を書いた。
さらにコイこくやお神酒の振る舞い、20年以上前に町内で作って一度使われただけの子どもみこしでみこし渡御、茅の輪神事、地元の護摩堂太鼓の演奏と続いた。
土生田神社は、住宅寄り添うように並ぶ国道403号の裏道に位置する。境内の周囲を大木がぐるりと囲み、鳥の声が聞こえた。みこ二人もお願いし、異次元に迷い込んだような不思議な空間のなかで日没と並行して行事が進んだ。
夏越会会長の田上町議でもある池井豊さん(49)は、「それぞれ自分ができるものを奉納しようと。年々、大きな行事にしていきたいですね」と話していた。