7月21、22日と燕市燕地区で行われる夏まつり、飛燕夏まつりでのみこし渡御に向けて燕1000人みこし実行委員会(小田島智博実行委員長)は1日、初めてみこしの清掃作業を行った後、ふれみこしとふれよさこいを行って飛燕夏まつりをPRした。
燕1000人みこしは、レンタルみこしを使って1990年にスタート。2年後に燕市の伝統工芸、鎚起銅器の技術をふんだんに注ぎ込んだ銅製の鎚起みこしを製作し、翌年は銀みこしを製作。それから7年をかけて金みこしを製作し、計3基のみこしをもつ。
鎚起みこしと銀みこしは製作から約20年になることから、すすけたり、金属の輝きがなくなったりしたため、役員に声をかけて延べ約150人が参加して清掃を行った。
鎚起みこしと銀みこしを展示、保管している燕三条地場産業振興センターに、燕市産業史料館に保管する金みこしも持ち込み、布で磨いた。とくに銀は空気中の酸素などで時間がたつほど黒くなる。磨いたあとは驚くほどぴかぴかに生まれ変わった。
みこし渡御では見事な担ぎっぷりを見せてくれる担ぎ手たちだが、本番前でまだ気合いも乗っていないのか、みこしを移動させるのにタイミングが合わず、「合わせれよ!、おい!」とまつりのような大きな声が響いていた。
清掃に続いて、金みこしに掛矢(かけや)を使って縄で担ぎ棒を取り付ける方法を先輩から若手に伝授。先輩は「間違ってください。間違わねーと覚えらんねんだよ」と、てこの使い方を体で覚えるよう指導していた。
このあと午後2時からイオン県央店前、3時から燕三条地場産業振興センター前でふれみこしと、ふれよさこいを披露。ふれみこしは金みこしを使って担ぎ、ふれよさこいは市内の「きらら」、「さくらん」、「飛燕ジェルズ」の3団体がよさこいを踊った。
近年、担ぎ手不足から、鎚起みこしは1年おきに担いでいる。鎚起みこしの重さは約1トン。担ぐだけなら100人でも可能だが、渡御を行うには300人、交代も入れると500人が必要。それに金みこし、銀みこしをを加えると3基のそろい踏みには担ぎ手が1000人必要になる。「1000人みこし」は、だてではない。
実行委員長の会社社長小田島智博さん(42)=燕市佐渡=は、「歴史をつくってきた先輩たちに感謝の気持ちを込めて磨かせてもらうことにしました。本番に向けて、気持ちを高ぶらせていくことができれば」と話した。
今では伝統行事として格を感じさせる燕1000人みこしだが、当初は新潟市の市民みこしのはんてんを借りて着たところから始まった。3基ものみこしをそろえたのは、燕のみこしの時計の針が後戻りにしないようにという決意や願いのあらわれでもあり、ことしの飛燕夏まつりはみこしを3基とも出す段取りだ。
みこしの担ぎ手も募集しており、興味のある人は同実行委員会事務局の燕商工会議所産業観光課(電話:0256-63-4116)へ。