6月30日は12月31日の年越(としこし)のはらえから半年間に犯した罪やけがれを除き去る夏越(なごし)のはらえ。燕市宮町、戸隠神社(星野和彦宮司)でもこの日夜、夏越の大はらえを行うともに、祈りによる国家の再生「絆」をテーマに茅の輪(ちのわ)くぐりや神事とあわせて市内3団体による太鼓や神楽舞が奉納された。
27日に境内の参道、鳥居の下に直径約2メートルの茅草(チガヤ)で円に編んだ茅の輪を設置。午後7時から神事のあと、拝殿の正面の階段を使って飛燕太鼓保存会が太鼓を演奏。さらに拝殿前に四隅にタケとチガヤを立て、間をひもで結んで紙垂(しで)を下げた約3メートル四方の舞台で、燕御神楽神伶会と小池諏訪神社祭礼協賛会が神楽を奉納した。
奉納行事は約200人の参拝客が見物した。太鼓の大きな音に誘われて訪れる近所の人も多く、夜がふけるにつれて境内はにぎわった。神楽は太鼓にあわせて猿田彦(サルタヒコ)と天鈿女命(アメノウズメノミコト)の出場に始まり、笙(しょう)や笛、太鼓で奏でる雅楽にのせて天川の舞や宮清の舞で幽玄な世界へいざなった。最後に星野宮司を先頭に参拝者で茅の輪をくぐって締めくくった。
奉納行事の前に星野宮司は参拝者にあいさつした。星野宮司は、東日本大震災から1年数カ月たってもいまだに34万人が不自由な避難生活を送り、そのうち16万人が福島原発の事故が原因と言われることを紹介。「わたしたち人間のエゴがもたらした結果である。神さまのおしかりの現れ」との意見に賛意を示し、大規模なデモに膨らんでいる大飯原発の再稼働に反対し、電気が足りないというのは政府のうそで、原発が稼働しないと困る政治家、企業、役人がいると指摘した。
震災がれきの受け入れに関しても、「絆です。日本はひとつです」、「この責任は日本人すべてが負わなければならないのです。すべてが復旧、復興のためにできることをやらなければならないんです。このことも皆さま方、良く考えていただきたいと思います」と話し、国民の結束を求めていた。