八十里越地点開発促進期成同盟会は26日、工事中の国道289号の「八十里越」県境の9号トンネルの只見側入り口付近で、完成すれば結ばれる三条市と福島県只見町の小学生などによる「県境初越え記念〜子ども交流イベント」を行い、「歴史的な第一歩」を祝うとともに一日も早い全線開通を願った。
八十里越道路は、全線開通の見通しはたっていないが、工事用道路を使い、建設中の県境トンネルの9号トンネルを福島側に抜けると、車では渡れないものの7号橋梁の仮橋が架かっており、歩いて渡ることで、物理的には新潟‐福島間の通行は可能になっている。その仮橋を両市町の子どもたちが歩いて渡り、同道路を使っての初めての県境越えを行った。
午前10時10分ころ、その仮橋の両端まで只見町と三条市の小学生約20人ずつが車で行き、仮橋の只見町側で対面した。
三条市の森町小学校6年生20人と、只見町の只見小5年生3人と6年生3人、朝日小6年生9人の15人の計35人の小学生と、三条市の国定勇人市長や市議、只見町の目黒吉久町長や町議、国土交通省北陸地方整備局長岡国道事務所長などが参加。両市の子どもたちと国定市長、目黒町長でテープカットを行い、両市町のあいさつ、長岡国道事務所長から子どもたち全員に「八十里越道路県境初越え証明書」の交付などを行った。
国定市長は、「きょうは皆さんにとって一生忘れられない日になると思います」とあいさつした。150年ほど前に新潟県長岡藩の家老河合継之助が只見町の地を訪れて以後、新潟と福島との間でこの八十里越の峠を介した往来はほとんど途絶えたが、この日再び、これから先の日本、福島、新潟を担う小学生が初めて仮橋を渡り初めして新潟県に入る、歴史的にこの仮橋を渡って三条市に入る最初の旅人になってもらうと言い、きょうの日を忘れることなく語り継いでほしいと願った。
目黒町長は、「皆さんが車の免許をとるころには、またいちばんに、ここを通ってもらいたい」と早期の全線開通を願った。
また、森町小を代表して6年生石沢奈々子さんが歓迎のあいさつを述べ、只見小の同新国潤平君があいさつで応えた。
続いて、子どもたち全員と国定市長、目黒町長で十数メートルの長いテープカットを行った。「県境初越え証明書」は、児童それぞれの名前と「本日あなたは、八十里越道路の県境(新潟〜福島)を初めて越えたことを証明する」と書かれた長岡国道事務所長名の証明書で全員に贈られた。
このあと、仮橋を歩いて渡り、三条市側のマイクロバスに乗って県境を越えて三条市に入り、子どもたちは森町小学校で交流会を行い、期成同盟会の委員は工事現場視察及び総会などを行った。